梅雨の季節。いつもより物の怪が周囲を多く徘徊するこの季節が、静流は嫌いだった。フミが冗談で「霊感が強くなった」と言い出すと嬉しさを感じ、文芸部のための作品に経験を綴ると「見てきたようだ」と賞賛されることに戸惑いを覚え、久々にこの力に対する心苦しさを味わうのだった。
このシリーズの本領たる、微温的な物語。作品として結論を示すものではなく、梅雨特有の情景を軸に、見えざるものが見えてしまう静流の苦しみを淡々と綴っています。しかしこういう描き方こそ、本シリーズの正しい様式だと思います。
しかし、静流メインの話は比較的作画が安定しているという傾向があったのに、今回は静流の目の焦点が狂っている絵が多すぎてちと失望。見せ場である、静流が陰火と戯れるところだけはなかなか美しかったのですが、それ以外はどーも微妙でした。演出的にも、最近多かった声抜き主題歌を用いていないなど落ち着いていただけに、作画の状態の悪さだけが引っ掛かりました……
あとお願いだから、次回予告の寸劇はもーちょっと面白くするか、出来ないんだったら止めてください。余韻ぶち壊しなんですが。
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