久々にジャズのCDを買ってきました。それまでフュージョン畑のサックス・プレイヤーという扱いだったマイケル・ブレッカーが自らの名義では初めてアコースティック中心の編成で作りあげたアルバム『テイルズ・フロム・ザ・ハドソン』より。パット・メセニーが共演していることもあっていずれ買うつもりでしたが、今日ふらっと売り場を眺めていて目に留まったもので、勢いに任せて購入。例によってポイントも貯まってましたし。
基本的にマイケル・ブレッカー自身の作曲を中心に構成されていますが、これはパット・メセニーの曲。それもライヴではお馴染みで、二枚組の傑作ライヴ盤『トラヴェルズ』やDVDでリリースされた『スピーキング・オブ・ナウ・ライヴ』などには収録されていますが、スタジオ音源がいっさい存在しない、メセニーの曲でも特殊な位置づけにある曲。もともとジャズ・ピアニストのマッコイ・タイナーを意識して作った曲だそうで、このアルバムにおいてタイナーをゲストに招くにあたって、敢えて選んだものだとか。ブレッカー、タイナー、メセニーに加えジャック・ディジョネット(d)、デイヴ・ホランド(b)、ドン・アライアス(per)という濃い面々が過剰に自分を押し出すことなく、調和を保ちながら旋律を際立たせていくさまは非常に格好いい。全体としても近年のような求道的な色合いはまだ薄く、聴き心地と完成度を両立した名盤です。
ちなみにマイケル・ブレッカーは昨年、難病を患っていることを告白してそれ以降のツアーをすべて中止し、いまもなお闘病中だとか。一刻も早い恢復と復帰を願うばかりです。
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