本日の映画鑑賞は長丁場です。2カ月にいちどのお楽しみ『爆笑問題withタイタンシネマライブ#81』がメインのお目当て、しかしこの時刻に観るなら、前にもう1本鑑賞したい。いちおう、最優先に考えていた作品はありましたが、想定しつつも乗り気ではなかった。何故なら、これを観るとなると、映画館に5時間以上は居続けることになるから。合間に食事も入れたりすると、そもそも現地入りするのが14時台になる可能性もある。ほかの作品を検討するべきだろうな、と思ってました。/p>
……綺麗に噛み合う時間割が出てきてしまった。
終了時間がシネマライブ開映の25分前なので、夕食を摂りに行く余裕はない。しかしその代わり、映画の方の開映は15時45分。ちょっと昼寝が短くなりますが、いちおうほぼほぼ私の生活パターンに収まっている。
あとの問題は悪天候でしたが、午前中こそ一時的に東京にも大雪警報が出たものの、昼寝から起きた頃には雨に変わっていた。……それでも寒さにめげかけましたが、意を決してお出かけ。もちろん電車を使います。
訪れたのはTOHOシネマズ日比谷、鑑賞したのは『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督最新作、トーキー移行時代のハリウッドを舞台に、夢と野望に狂奔する人びとの姿を、3時間を超える尺と、圧倒的熱量で描き出した『バビロン(2022・字幕・TCX・Dolby ATMOS)』(東和ピクチャーズ配給)。
噂通り、頭から濃い。のっけから繰り広げられる乱痴気騒ぎ、その中で思いがけず幸運を手にして、願っていた世界へと飛び込んでいく若き才能。しかしそれが、サイレントからトーキーへの変革、業界の変質によって思いがけない苦難に晒されていく。その様を、複数の視点を交差して異常なテンポとハイテンションで描いていく。長いし、本当に描写が濃密なので観ていて疲れますが、惹きつける力が強くて最後まで引きずられてしまう。
ほんとうに当時はここまで猥雑だったのか? とちょっと訝しくなるのですが、トーキー時代到来とともに訪れた変化とのコントラストがうまく明確になってる。そしてそのパワー、抱いた夢の力強さも感じられます。
さすがに色々と誇張はあるはずですが、この時代ならではのトラブルを、ユーモアも交えつつ緊張感豊かに表現していて、登場人物同様に追い込まれていく感覚に陥る。そうした狂騒が辿り着くクライマックスの、ある意味陳腐な構造が、言いようのない切なさ、悲哀を帯びる。時代の無常さをまざまざと見せつけながら、しかし結末には不思議な昂揚感もあるのです。一見、熱情に浮かされたような作りになっていても、あるお手本に沿って、的確に台詞、描写を積み重ねていればこそ、です。
濃厚すぎて観る人を選ぶ傾向はあると思う、けれど『ラ・ラ・ランド』の監督らしい熱と愛に満ちたハリウッド物語。ちなみに音楽は今回も最高です。最高すぎて、当時の水準大幅に上回ってますが。
このあとが本日のお目当て、ですが、その詳細は仕切り直して、明日にアップします。
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