カメラを回すべき所はもっと他になかったかい?[レンタルDVD鑑賞日記その842]

心霊闇動画81(Amazon.co.jp商品ページにリンク)

 4月20日に、2023年9月リリースの『心霊闇動画81』を鑑賞。配偶者から暴力を受ける女性の話を記録している際に奇妙な存在まで捉えてしまう《DV》、子供と近所の川辺を撮影していたときに映り込んだ不可解な存在《川辺にて》、飲食関係で働く投稿者が新規出店のため物件を探しているときに遭遇した奇妙な出来事の連鎖《レストランの物件》など、全6篇を収録。
 採り上げるつもりで借りてはいるんだけど、そろそろ本気で書きようがなくなってきた。主に悪い意味ですが、いい意味でもいつも通りすぎるんだもの。
 前巻からのリリース間隔は1ヶ月で、ペースは未だ維持している。それゆえに、と思われる省力的な作りも一緒。いちおう、観てヒヤッとする映像はちゃんと揃ってるけど、ほぼほぼパターン化していて一様に新味がない。顔、脚、手、そして人影がふたパターンと、ほぼ“映り込み”オンリーだし。《川辺にて》だけは珍しい類のものだけど、それゆえに、この話こそ掘り下げたらどうなの、という気がしました。
 ただし、今回はインタビューで映像の背景や後日談を掘り下げていく長めのネタが僅か2つ、しかもそのうち巻末の《レストランの物件》が20分を超える長さで収録されているのがちょっと珍しい。
 エピソードとしては確かに興味深いのです。映像が撮影されたあとの展開は、ちょっと出来すぎの感もありますが、怪談として面白い。が、問題は、このインタビュー部分を取り除くと、肝心の映像にいまいち面白みがないことです。本当に、エピソードを取っ払ったら、他の取材パートなしの映像とそんなに出来もインパクトも変わりないのよ。エピソードとしては巻末に置くのは正しいとしても、スタッフが追加で調査を実施して、関係すると思われる怪異を捉えた素材を見つけ出すか、せめて背景におぞましさを感じるような展開を置くべきでした。
 珍しく気合いは入っていたけれど、このシリーズの予算と発表ペースでは荷が重かったのだと思う。このネタは別のところに任せるか、《心霊闇動画》シリーズのリリースをいまの1/3くらいにするか、せめてこのエピソードだけでも時間をかけるべきではなかったか。

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