暗闇で、あの山中からどうやって帰ったんだろう。[レンタルDVD鑑賞日記その869]

心霊曼邪羅7(Amazon.co.jp商品ページにリンク)

 1月29日に、2018年3月リリースの『心霊曼邪羅7』を鑑賞。休日に山中のパワースポットを訪れた大学生が想像もしなかった怪事に見舞われる《取り憑かれた車》、新しいスマホで試し撮りしているとき、同行していた同僚がハマっているというアプリを使い始めたことで恐るべき事態に発展する《幽霊探知アプリ》、ネットで配信するため、資産中の心霊スポットに向かった男性2人が遭遇する恐怖を、正・続2話で追う《黄泉誘う森》など、全篇を収録。
 実は今回も前巻と一緒に届いている。ほぼ立て続けに鑑賞しているので、前巻の感想を書いたときに記憶が入り乱れていた可能性は否めない……そもそも、2巻続けて冒頭のシチュエーションが似てる、というのが問題だと思う。本当に区別突かなくなってるぞ。
 そんな感じで、最終的な現象のパターン化が露骨に出始めてしまったこのシリーズですが、しかしやっぱり、エピソードごとの展開にはちょっと目を惹くものがある。粗筋を記した《取り憑かれた車》や《黝簾探知アプリ》は、いちばん最後に示される怪異の映像が安易でも、展開は面白いので観ていられます。特に《取り憑かれた車》は、これだけ色々と観てきた私でも、あんまり覚えのないパターンで、ちょっと度胆を抜かれました。
 巻末は、このシリーズではたぶん初めての前後篇に分かれた長篇……と言っても、まだ取材パートは含まれてないし、内容的には、別に1本でも構わないような印象。《黄泉誘う森》でも確かに変なことは起きてるけど、普通に友人が突如挙動不審になった、とだけ捉えることも可能で、《続・黄泉誘う森》の出来事を経て、初めてそれっぽい理由付けが出来るものですから、わざわざ分ける必要はあったのか。他の怪奇ドキュメンタリーのように、取材過程そのものをドラマとして見せているならまだしも、この体裁ではあんまりいい構成とは言えない。前後篇に分けたところで、たとえば並び替えをして、前篇を序盤に、後篇を巻末に置いたとして、一般的な視聴者は楽しんでくれるとはちょっと考えにくい。
 前巻からわずか1ヶ月でのリリースで、そのスピード感からすると決して悪くはない。ただ、より速いペースで鑑賞してしまうと、余計に現象の似たり寄ったりなところが際立ってしまう。そろそろ、取材パートをしっかり入れた構成に切り替えて仕切り直しして欲しいなー、と思いつつ、予備知識なしで次巻も借りようとするこのスリル。

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