自由すぎる。

 さだまさしがレコードデビュー50周年の節目に、「どうしてもラジオ番組がやりたい」という一時の気の迷いを真に受けて、東海ラジオが律儀に枠を用意してしまったことで2022年に始まった『1時の鬼の魔酔い』という番組がありました。
 なにせこういう事情なので、東海ラジオのみの放送、しかも深夜1時の放送だったので、だらだらと締まりのない内容で、気まぐれに企画を始めたかと思えば、時々真面目なことを語ったり、と実に深夜らしいラジオでした。
 しかし、ファンの力が凄かったのか、その緩さが受けたのか、文化放送などがネット局として参加、気づけばほぼ全国ネットになってしまった。1時では聴けない人もいるから、という理由で、メインである東海ラジオの枠は18時に移動し、長いこと安住していた。
 放送開始から2年半が経過した今年3月、さだまさしが重い口調で、月末での番組終了を告知。それから番組には、終了を惜しむ声が寄せられたようです。

 ただ単に番組名が『グレープのもう魔酔わない!』に変わるだけだったのに。

 個人的にはそんなこったろうな、と薄々感じてました。妙に引っ張って、まともに告知しようとしなかったのもそうだし、終了するわりには、あんまし企画類を積極的に締めようとしてなかったから。
 それに、さだまさしの番組ではあるけれど、50周年の企画として、さだまさしがデビューした際のユニット・グレープが一時的復活を遂げたときから、相棒の吉田政美が頻繁に駆り出され、気づけばスタッフも普通にレギュラーとして扱っていた。更にはさだまさしと、所属事務所社長であるさだの弟の同意によって、さだの版権管理会社・株式会社まさしの社長に抜擢され、挙句、番組内でグレープとしての新作発表とコンサート実施を吉田自ら宣言してしまったので、完全に腹を括ったと思われる。どうせ二人で出てるんならグレープ名義の番組にするべきだし、もう魔酔ってるなんて言えないんだから、タイトル変更は当然至極。
 純真なリスナーを騙した代償として、しばらくは番組終了を惜しむお便りを読む羽目になってましたが、それが次第に落ち着いてきたあたりから、「この番組、俺たち以外がやっても構わないんじゃないの?」と更に無茶なことを言い出した。あの男がいちど自分にやらせてほしい、と言っていたから、丁度いいので任せちゃおうか、と言い出した。

 昨日付けの『グレープのもう魔酔わない!』、立川談春がやってました。

 録音データのアーティストの項にも、立川談春としか書いてない……グレープの名前すらない。
 録音したラジオは、先に録ったものから順繰りに聴いているため、私自身がちゃんと聴くのはもうちょっとあとの予定ですが、あっちこっち摘まんで聴いてみたところ、本当に談春しか喋ってない。もうすぐさだまさしのニューアルバムが出るのに。今回、初めて公表される情報もあったっていうのに。
 声しか聴こえないから、とか、深夜だから、とか言って好き勝手やってる番組も多々ありますが、こういう種類の自由さを発揮してる番組はあんまりない気がします。ある意味、平和である。
 いちファンとしては、好き勝手してていいから、せめて自分たちが出演することを忘れないで欲しい。さすがに1ヶ月本人たちの出演なしというのはやめてね……って言うと、やりそうな気がするから怖い。

グレープのもう魔酔わない | TOKAI RADIO FM92.9MHz/AM1332kHz
東海ラジオ「グレープのもう魔酔わない」のホームページです。

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