きのうは2日連続のイベントでした。本当はばらけさせたいんですが、イベントそのものの日程を私が決めてんじゃないから致し方ない。何より、今日のはどう考えても外せなかった、チケットが買えてしまった以上は。
バナナマンが毎年夏に開催するライブの中で、唯一と言っていい、ほぼ毎回に近い率で登場する定番のキャラが、フォークデュオの《赤えんぴつ》です。設楽統演じるおーちゃんがヴォーカル、日村勇紀演じるひーとんがギターとコーラスを担当、それこそ往時のフォークソングを思わせる暗く衝動に満ちた曲を演奏し、その合間にシュールで猟奇的なやり取りを繰り広げる、というもの。
決してプロではないおーちゃんの書く特異な詞と曲が却ってプロからも評価されていたりしましたが、突如として、まさかの日本武道館単独公演である。さすがにちょっと驚いた。なんでいきなり。
実は本番は前日9日だったのですが、こちらのリリース当時は懐具合に不安があったので泣く泣くスルーしたのですが、相当に競争率が高かったのか、間もなく翌日の追加公演決定、チケット発売が発表された。このときは予算の確保が出来たため勇んで注文、無事に確保出来た。なにせバナナマンのライブはここ数年落選続きだったので、久々に生で拝める機会を逃す手はない。連日のイベントでも、なんとか予定を組もうというものです……ただ、本公演のほうは、もし費用の都合がついて参加できてた場合、タイタンシネマライブには行けなかったんだな……まあ、あちらは2カ月に一度のペースで開催されてるし、このところほぼ観に行ってますから、たまに欠席するくらいは構わないんだけど。
基本的に週6のペースで、夜8時頃から透析を実施している私ですが、前日当日と夜の外出が続く。医師から、2日は空けないよう指示されているので、この日は午前中に透析を実施。在宅透析で可能な最速での除水を設定し、この1日半ほどに貯め込んだ水分を排出。昼食と仮眠を挟んで外出、16時ちょっと過ぎた頃に現地入り。まずは物販スペースに赴き、目当てのグッズを購入
出来ませんでした。狙ってたカセットは売り切れ、Tシャツは一部のSサイズしか残ってなかった。
どうやら、この日の午前中には売り切れていたようです。前日にも、ライブ開演後に物販の一般開放があったのですが、どのみち私には対応不可能。大人しく、まだ残っているなかから、タオルだけ購入しました。
物販スペースに並ぶことも考慮して開場1時間前に現地入りしたので、あとはだらだら待つしかない。また別の機会に訪れることを想定し、付近のラーメン店の所在を軽く探ってから会場に戻りました。
そして18時より開演。このライブは入場時、全員におーちゃんが被っているのと同じようなデザインのチューリップハットが配布されたのですが、ほとんどの観客が、指示されるまでもなく被っていて、見渡す限り赤いチューリップハットだらけなのが壮観でした。警備含むスタッフもみんな被ってるからなおさらです。サイリウムを持参したひとも基本、赤を使っていて、こんなに赤く染まったイベント会場を見たことありません。
このあと、メモしたセットリストをアップして感想を記すので、配信やアーカイブをまだ観る予定、ソフト化を待ちたい方は、スクロールせずに通り過ぎてください。
日本武道館の時計台脇に掲示された、赤えんぴつ in 武道館大型パネル。
まず何がいいって、ひーとんのギターのチューニングが合ってる……これ、実はずーっとものすごく気になっていた。バナナマンとしてのライブには恐らくギターテクニシャンなんか不在で、恐らくはひーとん自身がチューニングして、そのまんま出番を待たせているのでしょう、しばしばバランスが悪い。今回はバンドが入っていて、そちらから監修してもらっているのだと思いますが、ちゃんとチューニングが整ってる。それだけでものすごーい安心感。
そして、赤えんぴつのフォーマットはちゃんと守ってる。暗くてどこか奇妙なトーク、しばしば始まる喧嘩。たぶんやってないのは、喧嘩の流れでひーとんが泣き出すくだりくらい……さすがにあれは入れづらかったんだろうな、ゲストも多いし。基本的に、すべての曲の前に簡単なMCがあって、赤えんぴつらしいやり取りや、小芝居を挟んでのゲスト登場に導いている。
さすがと言うべきか、ちゃんと3時間もの尺を退屈させない構成が出来てます。それぞれにちょっとずつ違うゲストの登場はもちろん、赤えんぴつのステージ位置、本来のギター1本によるデュオスタイルと、バンドスタイルを織り交ぜて、演奏も変化を豊かにしている。
そしてゲスト陣の豪華さ、的確さも最高でした。chelmico、三浦大知、乃木坂46とそれぞれにもともとバナナマンにゆかりのある納得の面子ですが、「この人はどうした?」という物足りなさもあった。それをちゃんとVTRや電話出演というかたちで補っている。森山直太朗が電話出演というのも、バナナムーンGOLDリスナーとしては嬉しい趣向。出来れば、この日まで赤えんぴつが唯一、他のアーティストから提供された曲《こいのぼり》を、作曲者である森山直太朗を交えて歌ってほしかった気はするけど。
しかしそのぶん、より大きな驚きとなったのは、最後のゲスト・トータス松本が提供してくれた新曲で本篇のラストを飾った点。なんで本篇のラストをゲストにほとんど歌わせてるんだよ、というツッコミは入れたくなりますが、そのひねくれっぷりも彼ららしい。
お約束通りのアンコールでは、すべてのゲストがふたたび登壇して、全員で《自転車》を歌唱。クセの強い曲ばかりで、大勢で歌うには適さない曲が多いなかでこのチョイスは最善でした。観客にも歌うよう促してくれたので、一体感がいい。
まさしく赤えんぴつの世界、そしてきちんとバナナマンライブの世界観も踏襲した、ファンとしては最高のライブでした。ゲストの登場しない本公演を、アーカイブ配信のチケットを購入して鑑賞するか、或いは映像ソフトのリリースを待って楽しむか、が悩みどころです。
……しかし現時点ではそれよりも、早々と売り切れてしまったグッズ、可能な範囲でいいから再版してほしい。せめてカセットは再版してほしい。過去のライブ音源はデジタル配信されてますが、カセットとしてリリースされてる体裁で聴きたいのです。我が家にはちゃんと再生機器もあるし。
- 三浦大知の曲が混ざっていた可能性があるけれど、そちらの曲は疎いので判別できず。[↩]
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