ロックダウンのなかでも映画は撮ってる。

 基本、映画を観に行くのも外食するのもひとり、可能な範囲で注意もしているので、非常事態宣言下といえども可能な範囲で外出はするつもりです……といいつつ、今週はなんとなく配信やレンタルで済ませてましたが、そろそろ我慢が出来なくなったので、出かけてきました。
 本日の劇場は今年初の新宿、靖国通り沿いの新宿ピカデリーです。さすがに世間では抵抗があるのか、人出はここも少なめ。お陰で、最安値でしかも劇場最寄りの駐車場が使えたのは助かりました。
 鑑賞したのは、新型コロナウイルス感染症の影響でまさにロックダウンのさなかにあったイギリスにて、実際にZOOMを用い、スタッフ・キャストともに接触することなく撮影したホラー映画ズーム/見えない参加者』(TWIN配給)。本篇が1時間に満たない短さなので、鑑賞料金はどなたさまも1000円……私にはお得感はないんだが。
 まあ実のところ、こういう趣向そのものはティムール・ベクマンベトフ製作の『アンフレンデッド』シリーズが先んじてますが、こちらはこの騒動によって一気に一般化したコミュニケーションツール《ZOOM》の機能のみで描写している。『アンフレンデッド』はややPCの知識がないとついていけない部分もありましたが、急速に浸透した《ZOOM》を駆使したこっちは伝わりやすくなってる、はず。
 作品としてはほぼ、“《ZOOM》の参加者を怪奇現象が襲う”というアイディアひとつで成立していてそれ以上でもそれ以下でもない。ただ、前述したとおり、《ZOOM》の機能でフォローできる範囲の構図で様々な趣向を凝らしていて、きちんとホラーとして成り立ってます。ごく一部のスタッフ、キャストはさすがに接触してる形跡がありますが、それでも大幅に制約を受けている中で、これだけしっかりアイディアを組み込んで、短めとは言えけっこう身が詰まっている。
 ただ、個人的に興味深かったのは本篇の直後に添えられた、製作初期にスタッフとキャストが本篇同様に《ZOOM》で交霊会を催したときの映像だったりする。普通に怪奇現象が起きまくってるし、そこでの出来事が一部、まんま本篇に採り入れられているのです。こんなのを観ると、「こいつら、誰かに作らされてないか?」と思ってしまう。ホラー好き、とりわけ数多ある怪奇ドキュメンタリーに関心のあるひとはいっかい観ておくべきだと思う……映画館で観る必要はないと思うけどね。『アンフレンデッド』もそうですが、あまりにPC画面をしっかりと再現しすぎているから、自宅のテレビやPCで鑑賞した方がもっと臨場感が味わえるのではなかろうか。

 鑑賞後は、このところお気に入りの麵屋海神で昼食。時間帯によっては待機列も生じる人気店ですが、なにせ今日の映画は予告篇と特典映像含めても70分程度、映画館からやや距離のあるここまで来てもお昼前。ゆっくりと食事を摂っても、12時には新宿を離れることが出来ました。

コメント

  1. […] 原題:“Host” / 監督:ロブ・サヴェッジ / 脚本:ジェンマ・ハーレイ、ロブ・サヴェッジ、ジェド・シェファード /  […]

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