やっと観られたよ最終章。

 緊急事態宣言が出ていちばん悔しかったのは『るろうに剣心 最終章 The Final』を最適な環境で観られる可能性が下がったことです。たぶん、解除或いは緩和されたあとも、人気作なので上映は続くだろう、というのも解っていた。しかしその頃には続篇にして本当のラスト『The Beginning』が公開されてしまう。より新しい作品にいいスクリーンが割り当てられるのは道理、まして今期はエヴァなど、充分な期間上映出来なかった新作があり、IMAXなどはそちらにも枠を割かれるのは必定。
 案の定、発表された時間割は、『The Beginning』やエヴァに使われ、『The Final』は通常スクリーン、しかも1日2・3回程度に絞られてる。しかしそうなると、もはや劇場はどこだっていい。なら、最寄りで時間的にも融通の利きやすいTOHOシネマズ上野を利用するのは、私にしてみれば当然なのです。
 とは言え、大量の新作を抱え込んでスケジューリングが厳しいのはどこも一緒。上野でも、基本的には最近封切られたものが優先で、『The Final』の枠は少ない。いちばん私に都合のいい時間を探したら、けっきょく午後6時スタートの回になってしまった。
 というわけで、本日観てきました、シリーズの時系列的に最後となるエピソード、剣心の過去に復讐するため現れた最強の敵と剣心が対峙するるろうに剣心 最終章 The Final』(Warner Bros.配給)
 もう最初から最後までほぼぼほ見せ場しかない。怒濤の新世代チャンバラ・アクションが心ゆくまで堪能出来ます。剣心に怨みを抱く男・雪代縁の壮絶な攻撃に心を苛まれつつも、これまでの戦いのなかで培ってきた絆、助けてきた命に救われる展開が実に熱い。そしてそれらを凝縮したクライマックスの重量感たるや。基本的に全員が必死に戦ってるだけなんですが、そこにちゃんとドラマがちらつく。本篇からいきなり鑑賞してもその深みは感じるでしょうが、実写版剣心をすべて観てきたひとには感慨深い内容です。そしてその象徴たる縁との直接対決と決着もまたいい。人を斬らずに戦えるのか、そして過去に犯した罪はどう償うべきなのか、という厄介なテーマを抱えながら、それに体当たりで臨んだ、堂々たる完結篇。
 剣心の亡妻・巴との物語は、本当の完結篇にしてエピソード0となる最新作『The Beginning』で語られるため、この『The Final』では一部を引用するのみ。しかし本篇のなかでも、何故妻を斬ったのか、何故十字傷がつけられたのか、については明快にしていない。幸か不幸か、『The Beginning』はもう公開中。早めに観ます……こんどこそ上位スクリーンで。

コメント

  1. […] 原作:和月伸宏 / 監督&脚本:大友啓史 / プロデューサー:福島聡司 / エグゼクティヴプロデューサー:小岩井宏悦 / アクション監督:谷垣健治 /  […]

タイトルとURLをコピーしました