棚上げにしたくなくて『るろうに剣心 最終章 The Beginning』を立て続けに観てしまった影響で、先送りにしてしまった奴を、やっと観てきました。
劇場はTOHOシネマズ日本橋。実は上野でもやってましたが、休業明けの数日しかかけてくれなくて間に合わず。スケジュールをあれこれ調べた結果、ここの朝一番がいちばん都合がよかった。
ふだんなら自転車で移動する場所ですが、きょうはお昼頃から急な雷雨の予報が出ている。朝の時点ではまだすぐ降る様子ではなかったものの、万一を考慮して電車で向かいました。
鑑賞したのは、ガイ・リッチー監督最新作、久々にイギリスのアンダーグラウンドを舞台に、引退を計画した麻薬王を巡る駆け引きをスタイリッシュに描いた『ジェントルメン(2019・TCX)』(kino films配給)。……ポスターが当たったから観に来たわけじゃないよ。色々考えて、たまたまこのタイミングになっただけなのよ。
そうそうあなたはこれでいーんだよ! と快哉を上げたくなる1本でした。悪党たちの容赦ない振る舞いを描きつつ、語り口は洒脱。ヒュー・グラント演じる怪しい記者の台詞をモノローグ代わりに、入り乱れる思惑を巧みなテンポで繋げていく。映像的なお遊びは抑えめになり、より“ジェントル”になった趣はありますが、確かに『ロック・ストック・トゥー・スモーキング・バレルズ』や『スナッチ』で見せた冴えの延長上にある。
あまりにも高めのテンションで安定しているために中弛み感がある、という欠点までまんま残ってるのにはちょっと苦笑いしたものの、やたらと立ったキャラに終盤まで予断を許さない変化に富んだプロット、そして細かなジョークを鏤めた洒落た台詞、と、『スウェプト・アウェイ』以降縮こまっていたガイ・リッチー流クライム・サスペンスの良さが溢れてる。争う者の立場が上に、そして争うものの価値も大幅に上がりましたが、本質的な面白さは間違いなく、初期作品で惹かれた観客がこの人に求めていたものだと思う。
『シャーロック・ホームズ』や『コードネーム U.N.C.L.E.』に、商業的大成功を収めた『アラジン』など、ほかのジャンルでもようやく結果を残し始めましたが、やっぱりこの監督にはこうした癖のあるオリジナルのクライム・ドラマを定期的に手懸けて欲しい。自分でどう考えているのかは知りませんが、これがいちばん向いてます、たぶん。
鑑賞後は、久々に日本橋にある福島県のアンテナショップ《日本橋ふくしま館 MIDETTE》に立ち寄り、店舗奥のイートインにて昼食。ここは喜多方ラーメンの名店が一定期間で入れ替わりに入っていて、その時々に異なるラーメンを提供している。以前、ここでいただいた《まるや》のラーメンは非常に私好みでした。いまは何があるのか、と前夜のうちにネットで調べてみた。
このあいだ、ふたたび《まるや》に入れ替わってた。
……とりあえず出店したところの本拠の評判を確かめて、考えてから来よう、と思ってたのに、お陰で迷う理由がなくなってしまった。
ちょうどお昼時なので、店内に列が出来ていましたが、この情勢なのでどーしても列に間隔を作らざるを得ず、それゆえに見た目が伸びているだけで、それほどたくさんは待たなかった。チャーシューメン……は、個人的にチャーシューをそこまで食べたいわけではないので、普通の喜多方ラーメンを注文。770円、ガッツリ派にはやや物足りない分量だと思いますが、私みたいに胃の強くない人間にはちょうどいい。
……何にしても、次に来るときは、別のお店が出てるときにしよう。《まるや》のラーメンは美味しいけど、せっかく定期的に入れ換えてるのに同じお店のものを続けて食べるのは我ながら解せぬ。
解せぬ、と言えば、天気もそうだ。予報ではちょうどお昼頃に雷雨が、って言ってたのに、日が照ってるでわないか。釈然としない気分で、電車に乗って帰りました。
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[…] 原題:“The Gentlemen” / 監督&脚本:ガイ・リッチー / 原案:ガイ・リッチー、アイヴァン・アトキンソン、マーン・デイヴィーズ / […]