2カ月前までは出来なかった、金曜封切りの作品を初日に観に行く、を実行。近頃はあんましひとの数が多いのも好きではないんですが、それよりは「これは早く観ておく!」という気持ちを優先しました。
本日も生憎の雨模様につき、電車移動です。先日発見した、乗り換えはあるけど最終的に雨のなか歩く距離は短縮されるルートを使いました……普通に新宿駅で降りると、歩きが意外と面倒くさいのです、TOHOシネマズ新宿は。
鑑賞したのは、《マーヴェル・シネマティック・ユニヴァース》最新作、暗殺者として鍛えられながら組織を離れ、アメリカに身を潜めていた青年が、自らのルーツと対峙する『シャン・チー/テン・リングスの伝説(字幕・IMAX with Laser)』(Walt Disney Japan配給)。……見出しにある“間に合わなかった”とは、本篇より前のMCU作品の感想のことです。『インフィニティ・ウォー』の復習さえ済めば、あとはもうほとんど、仕上げを済ませればアップ出来るものばかりだったので、ホントにあと少しだったんだが。
けっこう期待していたのですが、きっちり応えてくれた感じ。マーヴェル映画 meets 武侠もの、みたいなストーリーとアクションで、マーヴェルらしいユーモアや迫力は仕込みつつ、アクションの方向性が見事に香港流を採り入れてる。
ドラマ作りにも、ハリウッド映画的な価値観に程よく中国の儒教的な思想が溶け込んで、うまくバランスを取っている印象。親子や兄妹の相克が、強大な存在の登場によって変化していくカタルシスはなかなかいい。
個人的に評価したいのは、終盤で登場する“隠れ里”のヴィジョンが、技術的にはこれまでのマーヴェルを踏襲しながら、かなり東洋的雰囲気を再現していること。それこそ中国や、日本において描かれる空想上の生き物がまんま動いているようで、ちょっとした感動があります。
出来れば、達人が雑魚を薙ぎ倒すところや、達人同士の一騎討ちをもう少したくさん見せて欲しかったけれど、あのクライマックスの圧倒的なヴィジョンなども盛り込まれていることを思えば、これがいちばんいい匙加減でしょう。
まだ顔の浸透していない俳優がメインで気張る一方、香港・中国映画の大物であるトニー・レオンとミシェル・ヨーが格を添える。ホントに、マーヴェルに武侠のテイストを持ち込んだ理想形と言っていい。
しかしこの作品、ユーモアの巧さ、という意味ではジェームズ・ガン監督やタイカ・ワイティティ監督に引けを取らないかも。マーヴェル映画であんなにしっかり笑ったり、心の中でツッコミを入れたのはたぶん初めてです。ネタ振りが実にしっかりしてる。今のところ、シャン・チー単独の続篇があるかどうかは不明ですが(後続のMCUで関係者が出てくるのは確実みたいだけど)、同じ布陣での続篇を願いたい。
鑑賞後、ちょっと悩んでから、けっきょくは新宿東宝ビルと同じ番地にある焼きあご塩らーめん たかはしへ。悩むと冒険するのが面倒になって、ハズレのない店を選んでしまうのです。
コメント
[…] 原題:“Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings” / 監督:デスティン・ダニエル・クレットン / 脚本:デイヴ・キャラハム、デスティン・ダニエル・クレットン、アンドリュー・ランハム / […]