ガラスの塔を炎が蝕む。

 プログラム切替直後の火曜日は、午前十時の映画祭13を観に行く日……なんですが、それは正しくは先週。しかし毎度ながらに切羽詰まった状況だったため、泣く泣く1週遅らせ、本日観に行ってきた次第。
 移動は今回も電車です。たまには自転車で、と思わなくもないですが、なにせこのところ乗っていないので、乗る前にメンテナンスが要る。それを抜きにしても、前夜の雨で湿度が上がって熱中症の危険は増し、更に日中もいつ降るか定かではない。電車以外に選択肢はありませぬ。
 いつものTOHOシネマズ日本橋にて鑑賞した今コマの作品は、大手スタジオ2社による共同製作、という当時としては稀有な作品、新築したばかりの超高層ビルを襲う火災の恐怖と人々のサヴァイヴァルを、圧倒的スケールで描き出したパニック・サスペンスタワーリング・インフェルノ』(20世紀フォックス×Warner Bros.初公開時配給)
 なにせ先に、より進んだ研究に基づく『バックドラフト』観ちゃったので、火災の表現に微妙に納得のいかないところがあるのですが、やっぱりパニックから危機の連続、そこから浮かび上がる人間ドラマは秀逸。安全を期して設計した建築士と、予算を削減することに躍起で安全を軽視する施工主の対立、竣工記念パーティに訪れていた人々の人間模様。複数のスタジオが絡む大作であるが故に、当時のスターが大挙しており、出番をなるべく巧みに配分しなければならない、といった事情もありそうですが、それ故に群像劇としての興趣がプラスされてる。
 しかしそんななかでもスティーヴ・マックイーンの格好良さは別格です。どれほど困難な状況に直面しても冷静沈着、皮肉は口走っても決して不平は漏らさず淡々と危険な場所へと乗り込んでいく。人間味も醸し出すポール・ニューマンも素晴らしいですが、マックイーンの安定感には及ばない。
 現代だともう少しテンポよく、更に迫力充分に描けそうですが、この時代の全力を投入して災害を描きだした作品として語り継がれる作品だと思う。でもこれを観たらフレッド・アステア最盛期のミュージカル映画も観て欲しいわ。あえてダンスを封印した本篇の哀愁を帯びた演技もいいけど、やっぱりそのダンスの凄さを知って欲しいのよ。

 日本橋に映画を観に行ったときは、かなりの率でふくしま館に赴きイートインで昼食を摂っており、今日もそのつもりでいたのですが、映画館の入っているコレド室町2を出たら、映画の続きを観ているよーな気分にむさせる雷鳴と雨降り。いったんは折りたたみ傘を開いて突入していったのですが、頭上で続く重い響きに落雷の危険も感じて、ちょうどすぐそばにあった入口から地下鉄の駅に待避。
 自宅までのルートで乗り継ぐ駅にて昼食を、とも思ったのですが、なにせ駅から出るのを躊躇する空模様ゆえ、少し昼食時を過ぎていたにも拘わらず、どこも列が長い。既に空腹でクラクラしていたので、電車に乗って最寄り駅まで戻り、コンビニでカップ麺とおにぎりを買って帰宅。やかんを火にかけると、お湯が沸くまでのあいだにおにぎりを頬張り、血糖値を上昇させて気分を安定させた。
 しかし、この移動がけっこうしんどかったようで、昼食を済ませひと眠りしても、疲労感は抜けきらず。透析を実施しつつこれを書いている今もぼーっとしております。

コメント

タイトルとURLをコピーしました