プログラム切替直後の火曜日……ではありませんが、午前十時の映画祭13を観に行ってきました。
劇場はTOHOシネマズ日本橋……ひと月半は来る機会ないかな~、と思ってたのですが、日本橋ふくしま館のイートインで私が最もお気に入りの老麺まるやが10月に出店するのはこの時期だけらしい。新宿で開催していた日本ご当地ラーメン総選挙は昨日で終了、続く大つけ麺博は明日11日から。その隙間にすっぽり入り込んだこの火曜日にまるやが食べられる、となれば、私にとって訪れる理由には充分です。初体験のラーメンをいっぱい楽しむのもいいけれど、やっぱり安心する味が欲しいのだ!
……なんてことを先に書いたせいで、ついでの感が強くなってますが、映画自体もちゃんと観る。作品は、『ショーシャンクの空に』のスティーブン・キング×フランク・ダラボン監督2度目の顔合わせ、幼女殺人事件で死刑判決を受けた囚人と、彼が起こす“奇跡”を目の当たりにする看守との交流を描いたファンタジー・ドラマ『グリーンマイル』(GAGA-HUMAX配給)。……GAGA-HUMAXって懐かしいな。
映画館では初鑑賞ですが、恐らくテレビ地上波の放送でいちどひととおり観ている――調べてみると、カットが入っていた可能性は大なので、これを初鑑賞としてもいい気はしますが。何にしても、スクリーンでの鑑賞が初めてなのは間違いない。
しかし、テレビで観たのもだいぶ昔、かつカットが入っていたはずで、きちんとした体裁で観るのも初めてのはず……そもそも一部のシーンを除いて細部は忘れてたので、思いのほか新鮮な気分で楽しんでしまった。
舞台は似ていても死刑囚監獄、しかも刑務官が『ショーシャンクの空に』の人びとよりも(ひとり抜いて)善良なので、空気は優しい。しかし優しいながらも、そこにいるのは犯罪者、それも死刑になるような重罪人ばかりで、横たわる感覚は重い。この複雑な空気が支配する語り口は、先行作とは似て非なるものです。
なかなか物語の本質は現れず、ようやく明白となっていくのは1時間を過ぎたあたりからなのですが、それまででさえけっこう見応えがあるのに、次第に加速していく感が凄い。死刑囚が持つ奇跡的な力と、残酷な罪状におよそ見合わない人柄が自然と謎を呼び、辛くも鮮烈なクライマックスへと突き進んでいく。先行作のような爽快感はなく、むしろ物悲しさがつきまとうのですが、その情緒、余韻は忘れがたい。
本篇の素晴らしさは何よりもマイケル・クラーク・ダンカンです。ちょっと度胆を抜かれるほどの巨漢、しかし振る舞いは穏やかで、不思議と惹き込まれる。クライマックスが胸に迫ってくるのは、このひとが悲しくも魅力的なキャラクターに充分な説得力をもたらしたからこそだと思う……つくづく、マイケル・クラーク・ダンカンの早すぎる死が惜しまれます。
『ショーシャンクの空に』ほど熱狂的にリピートはされなくても、キング×ダラボンコンビのもうひとつの感動作として、記憶される1本だと思う。このコンビの残す1本も……個人的には凄まじい傑作だと思うけど、おんなじノリで鑑賞した場合のダメージがデカすぎるので、別物だと思った方がいい。
鑑賞後は予定通り、日本橋ふくしま館へ。時間はすでに13時過ぎ、普通の社会人はもう職場に戻っているので、すんなり食べられました。
てっきり今月の出店は今日まで、と思いこんでましたが、どうも初日だったらしく、まるやが出店しているときのみ入荷しているお土産用のセットもちゃんと在庫があった。お土産用でも、これがいちばんのお気に入りなのです。ほくほくの気分で購入して帰宅。
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