音楽に潰され、音楽で輝く。

 プログラム切替直後の月曜日は午前十時の映画祭14を観に行く日です……毎回、この文章で始めるので、iPhoneで使っているIMEがほぼ覚えちゃったよ。
 出かけるのはいいけれど、辛いのはまたぞろ上映開始が9時15分と早めなこと……どうしたって、通勤ラッシュと被る。だんだん慣れてはきましたが、しんどいのも事実。
 ともあれ、いつもと同じTOHOシネマズ日本橋にて鑑賞した今コマの作品は、実在するピアニストの半生をもとに、豊かな才能を持ちながらも父親の束縛と病に追い込まれた青年の復活を音楽で彩り描く『シャイン(1996)』(KUZUIエンタープライズ初公開時配信)
 未だ個人的に忘れがたい傑作『クイルズ』のジェフリー・ラッシュが映画界でその存在を認識された作品なので、いずれ観てみたかった。確かに、自閉症の傾向がある青年をパワフルに演じてる。
 ただ驚いたのはむしろ、思春期の主人公をノア・テイラーが演じていたこと。最近、あんまりお目にかかってない印象ですが、こちらも好きな俳優なのです。本篇でも、ジェフリー・ラッシュが演じる青年期に繋がっていく危うさを巧みに表現している。
 わざと青年期と成長過程の出来事を交互に描いていくことで、謎を演出し観客の目を惹きつける。やや奇矯な振る舞いに至る経緯が胸を打ち、いちどは彼を追いつめた音楽が、彼の人生を輝かせていくさまは、緩やかな昂揚感があります。
 いささか身勝手で束縛の強い父親の背景にユダヤ人虐殺があったり、往年の乱暴な精神病治療の様子が挿入されたり、と歴史の負を鏤めていて、奥行きもありながら語り口は軽やか。いい作品でした。

 映画のあとは、今日も日本橋ふくしま館へ。現在、イートインに来ている麺家心花は、これまでも何度か出店しているはずですが、タイミングが合わず、私は初訪問。メニューは醤油、塩とオーソドックスなものがあるなかで、豚骨はスープが切れたら終了、とあったので、折角だから豚骨醤油らーめんを注文。丁寧に出汁を取っているからか臭みはなく、とても美味しかった。詳しくは後日、別記事でアップします。

TOHOシネマズ日本橋、エレベーター向かいの壁に掲示された『シャイン(1996)』上映当時の午前十時の映画祭14案内ポスター。
TOHOシネマズ日本橋、エレベーター向かいの壁に掲示された『シャイン(1996)』上映当時の午前十時の映画祭14案内ポスター。

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