極道の矜持と、人間としての意地。

 プログラム切替直後の月曜日は午前十時の映画祭14を観に行く日、ただし祝日が重なる場合はその限りにあらず。そもそもそういう事情がなくても何だかんだでずらすことも増えてますが、今日はルール通りです。その代わりに昨日は、家でドラゴ相手に運動してました。
 そろそろ錦糸町の双麺で食事をしたいから、オリナスで観たいところですが、オリナスは先週金曜日から『花様年華』になってる……だから再鑑賞するなら今週以降かな、とも考えてたんですが、スケジュール調整の点から不都合が多いので優先したわけなのです。というわけで、今日もまたTOHOシネマズ日本橋へ。
 鑑賞した今コマの作品は、ジョン・ウー監督の名を一気に広め、その後の香港映画の大きなうねりを作り出した分水嶺的な傑作、暗黒街で生きて来た男たちがプライドと友情、家族愛の狭間で激しい戦いを繰り広げるクライム・ノワール男たちの挽歌』(ヘラルド初公開時配給)
 もう13年も前に、ブルーレイをレンタルして鑑賞したっきりです。当時は、スタイリッシュさと熱さに痺れつつも、フィルムから起こしたまんまの映像と音響に、物足りなさを禁じ得なかった覚えがあります。
 この映画祭では基本的に4Kリマスターを制作しているし、何せ大スクリーンなので、印象は改善している……とはいえ、そもそも1980年代の香港映画なのです。ロゴやテロップの書体、音楽の付け方、そして強引なストーリー展開に野暮ったさは禁じ得ないし、音響のバランスもそこまで繊細にこだわっていない――或いは、現代の観客にはあまり感じ取れないレベルなので、そこまで印象は改善してないかも。
 とはいえ、やっぱり当時、一部で熱狂的に受け入れられたのは理解できる。大胆で派手だけど異様にスタイリッシュでカタルシスのある二挺拳銃アクション、人間関係の蓄積と、闇社会に関わってしまった男たちの宿命が入り乱れて生まれる、クライマックスの熱すぎるドラマ。気づくと完全に惹き込まれている。
 のちにジョン・ウーのトレードマークとなる二挺拳銃も意外と少ないし、鳩なんて「いたっけ?」という程度の印象(……いや、飛んでないよね? アクション・シーン屋内や夜だし)だけど、既にジョン・ウーの作家性はビリビリと感じる仕上がり。そして、チョウ・ユンファの存在感の素晴らしさ――日本人としては正直、某芸人の顔が脳裏にちらついて仕方ないんですが、この映画の彼が格好いいのは間違いない。近年はあまりお目にかかれない、“魅せられてしまう”1本。この映画祭では毛色が違うのですが、こういうのがあってもいい。
 なお、以前にアップした感想はこのあと見た目を整えて、ちょこっと追記してアップし直します。

 鑑賞後は、久しぶりにコレド室町2のすぐ近くにある神田らぁめん悠へ。ときどきここの特選らぁめんを食べたくなるのです。
 いざ訪ねてみたら、券売機が新しくなっていた。以前は昔ながらのボタン式でしたが、タッチパネル方式になっている。以前は食券を提出する際に確認されていた、細麺と平打ち麺の指定も、券売機の段階で出来るようになっている。しかも、各種クレジットカードや、電子マネーが使用できるようになっていた。心の中で「おおおお」と呟きつつ、2次元バーコードにて支払い。
 ここのらぁめんは私にとって、このくらいが嬉しい、という要素が詰まっていて、ものすごい安心感があります。以前は具が最小限のメニューで注文していたのが、なんだかそれでは申し訳なく、そして物足りなくなってきたので、気づけば特選らぁめんばっかりになってます。たぶん、3ヶ月ぐらい経ったらまた来店して、特選らぁめんを注文してると思う。

TOHOシネマズ日本橋、エレベーター向かいの壁に掲示された『男たちの挽歌』上映当時の午前十時の映画祭14案内ポスター。
TOHOシネマズ日本橋、エレベーター向かいの壁に掲示された『男たちの挽歌』上映当時の午前十時の映画祭14案内ポスター。

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