己を嘲笑え。

 大つけ麺博は昨日から第二陣。まだまだ先は長いので、今日の映画鑑賞も新宿行きです。
 そして、またしても朝が早い。やむなく、前夜は作業をいつもより30分ほど早めに切り上げて就寝。いつも、けっこう早い時刻に目覚ましを設定していて、それで起きた例はあまりないのですが、更に早めにひとつ鳴らしておけば、ちょうどいい時間に起きられる可能性がある。
 ……まさか、念のために設定したアラームで目が覚めるとは思ってなかったわ。
 何なら時間を持て余してタブレットで漫画を読んで微睡みの時間を潰し、早めに起き出して朝食と身支度を済ませ、余裕をもって出発。1日雨がちの予報なので電車を利用し、途中の駅でいちど、降車するひとのためにいったん下りたら、乗車客が多すぎてもう一度乗れず、1本見送る、という目に遭いましたが、それでもまだまだ余裕があるほどでした。
 でもやっぱり通勤時間帯の混雑は苦手。新宿での初回上映は早い時間になりがちなので致し方ないけど。
 しかし、最終的には、ドリンクを買うために並んだコンセッションがいちばんのネックでした。お客が少ないから2つしかレジが開いてなくて、しかもちょうど注文が多いお客で詰まったタイミングで、なかなか進まなかったのです。まあ、それでも充分間に合いましたけどね。
 今日も今日とてTOHOシネマズ新宿にて鑑賞したのは、DCコミックス稀代の悪役に、他のシリーズとは切り離す形で注目し世界に衝撃を与えた作品の続篇、監獄の中での出会いが道化の男に更なる変化をもたらしていくジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(字幕・IMAX with Laser)』(Warner Bros.配給)
 ぶっちゃけ、評判はあまり良くない。全作の素晴らしいレガシーを破壊した、みたいな論調も見られて、北米での興収は初週こそトップだったけど動員としては期待外れ、なおかつ2週目の減収が80%を超えてDCとしては最悪の記録、なんて状況で、批評的にも否寄りの賛否両論になっている……とは言い条、前作は高く評価していて、なおかつ駄作でも自分で鑑賞して判断する、というのが心情なので、ラージフォーマットでの上映があるうちに鑑賞してきました。実はノーマルフォーマットより、時間的にも都合が良かったりして。
 ……なぜこういう評判になったのか、はよ~く理解できた。私としては、この展開、このクライマックスに辿り着いたのも予想の範囲内だったんですが、それでも、評価的にはやっぱり、若干否定的にならざるを得ない。
 色々言われているようですが、この選択肢は実のところ、前作の時点で想定しうるものなのです。あれだけ熱狂的に受け入れられ、なおかつ本物の模倣犯が現れるような事態になるほど影響を及ぼしたのは監督にとっても想定外だったようですが、そういう事実を飲み込んだ上で、本篇に結実するのは自然なことだと思う。
 そこに原作における《ハーレイ・クイン》に相当するようなキャラクターを導入したことも、ミュージカルめいた表現を選択したことも、個人的には評価したい。そういう道具立てがあるから、ホアキン・フェニックスのこういう鬼気迫る演技にまた新たな味わい、意味合いが加わった。そして、この展開、結末もまた、ある意味当然であるし、それでも冒険には違いない物語を選択した監督の果敢さは賞賛すべきだと考えます。
 ただ、いちばん問題なのは、結果として過程が、あんまし面白くない。主人公アーサーの置かれた境遇ゆえに、どうしても緊張感が充分に産み出せないところへ、不自然さは少ないけれど挿入される、スタンダード曲を用いたミュージカルパートが、余計に間延びの印象を生み出してしまっている。各曲の演奏の巧みさ、映像的な構成の巧みさがあっても、配分やテンポという意味では、もっと厳しく目を配るべきだったかも知れません。
 反発は承知の上でも、否定的な意見が多かったことに監督は落ち込んでいる、みたいな報道も目にしましたが、これは致し方ない、と思う。挑戦は大いに評価したいけど、それに応えてくれた観客をノックダウンさせるまでには至らなかった。個人的に、前作から繋がるテーマとその昇華、という意味では間違ってなかった、と思うんですが。

 鑑賞後は、もちろん大久保公園に赴き、開催中の大つけ麺博にて昼食。生憎の空模様に、注文した料理が雨にやられてしまうことを危惧してましたが、幸いに私が外を歩いているあいだはほとんど降られることがなく、満喫できました……まあ、イートインスペースとして設けられたテント内の足許はあちこち濡れてたし、テーブルも濡れてるところがあったけどね。

TOHOシネマズ新宿、ロビーに向かうエスカレーター手前に掲示された『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』ポスター。
TOHOシネマズ新宿、ロビーに向かうエスカレーター手前に掲示された『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』ポスター。

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