透析の片付けを終えても、私はまだ深夜3時くらいまでうだうだとしていますが、母は寝るので、飲み物とか諸々の支度が済んだら、廊下は電気を消してしまいます。
ドアは細く開けてあるので、猫は出入り自由にしており、マリとチコはあっちこっち転々として寝ているのですが、なっちゃんだけは夜、母の部屋にいて、基本的に私の方には顔を出さない、出しても構ってくれないので、廊下の灯りを消す前に、構いに行くのが日課になってます。
母もとりあえずは寝ているわけではないので、だいたいBSかCSの映画が点いている。私は私で、その一部のシーンから何の映画か、を当てるのが趣味で、少し眺めて、正解を確認してから出て行きます。
昨晩、なっちゃんを構いにいったときに点いていたのは、見覚えがあるような場面。それで、少し様子を見る。
そのまんま、本篇ラストまで観てしまった。
なにこれ面白い。無茶苦茶、私好みだ。
もちろん、序盤で何が起きていたのかは解らない、けれど終盤の描写だけでも、きちんと考慮して組み立てながらも、描くのはグロくてド派手なクライマックス。こいつぁ、ちゃんと頭から観なければならない。
火曜日あたりは映画を観に行くことが多いものの、今日は観たいものと上映時間がいまいち噛み合わず、飛ばそうと考えていたところでした。幸いに、Amazon Prime Videoで配信されているので、家の中ではいちばん大きいテレビのあるリヴィングで、飲み物だけ準備し、基本的に他のことは何もしない、映画館とほぼ同じスタイルで臨みました。
作品は、『REVENGE/リベンジ』のコラリー・ファルジャ監督、デミ・ムーア&マーガレット・クアリー主演、禁断の再生医療によって美を取り戻そうとした女優の栄光と悪夢を描くSFホラー『サブスタンス(2024)』(GAGA配給)。。
……いや、本当は劇場で観たかったのよ。予定が合わなかったからスルーしちゃったんだけど、やっぱり後悔しましたわ。
序盤はものすごく心理をスタイリッシュに、一種無機質に描いていますが、若返るためのアイテムが出てくるとどんどんグロテスクになっていく――いや、実態は序盤から本質がグロテスクなんですが、映像的にも展開のうえでもエグくなっていく。
さながら虫を思わせる“若返り”の図式もそうですが、維持するためのルールがえげつない。そしてそのことが、唯一無二のドラマを構築していく。その過程で露わになる、人間の美への執着、羨望、憎悪。
現代的なテーマを全面に織り込みつつも、本質はSFホラーであり、娯楽作品であることを保っている。そして、一連の要素を昇華したクライマックスの壮絶さは忘れがたいものがあります。なにせ私は前夜にいちど観たはずなのに、やっゎ゜り面白かったし、いっそのこと爽快でした。
序盤の描写と対応させながらシニカルに、そして憐れに際立たせた幕引きも絶品。受賞したのはヘア&メイクアップ部門のみ(これは当然)でしたが、それでも作品賞、オリジナル脚本賞、主演女優賞など多数のノミネートを受けたのも自然なことだと思う。
間違いなく、ジャンルの中でその名を残す傑作。ほんとに、劇場で観ておけば良かったわ。


コメント