皮膚の上皮に袋のような部分が出来て、そこに皮脂や垢など、普通は出て行く成分が溜まって出来る腫瘍を“粉瘤”と呼びます。
私は昔からこれが出来やすいたちで、たいていの場合、放っておくと膿がちょっと漏れるなどして、なんとなく小さくなっていくのが常でした。
が、昨年から1箇所、しぶとい出来物があった。右脚の付け根あたりで、そもそも関節で皮膚が曲がりやすく、いちど派手に割れて、しばらく処置に苦労したのです。
これが先週くらいから突如として再発し、あっという間に肥大してしまった。金曜日、タイタンシネマライブを観に行ったときくらいにはだいぶ大きくなっていて、土曜日には膿が漏れてきてしまった。
その日の透析前、身体を洗ったあとで絆創膏を貼ったのですが、このときたまたまあったキズパワーパッドを貼ってしまったのが良くなかった。キズパワーパッドに効果があるのはあくまで擦り傷切り傷など、損傷が生じた直後で、腫瘍、特に膿が出てしまったら逆効果なのです。
何せ腫瘍が大きく、膿はパッドの下に溜まりすぎて漏れるし、腫れ自体も引かない。通常の絆創膏では、腫れに押しあげられて密着もせず、始末に負えなくなってきた。対処するのもストレスになってきてしまった。
堪りかねて、とうとう昨晩、素早く処置してくれるところはないか、とネットで調べてみたところ、思いのほか近場に、理想的なクリニックがあった。ホクロの除去やワキガへの対処など、自由診療の美容医療も手懸ける一方、保険診療の症状も各種扱っていて、特に私の自宅からいちばん近場にあるところでは、素速く診断して日帰り手術を実施してくれるという。
なんだかあまりにも虫のいい話に若干の軽快感を抱きつつ、ネットの評判も調べてみましたが、口コミから思い込みや主観を排除して読み解く限り、悪いところではないらしい。念のために、透析の管理をしてもらっているクリニックに予め相談をしたうえで、発見したクリニックに連絡。幸いにも、診療開始時間早々に枠が空いている、とのことなので、大急ぎで出かけてきました。
到着1時間後には、腫瘍を剔出されて、クリニックを出てました。
本当に無茶苦茶早かった。初診なので、問診票の記入や保険証の確認と受付にやや時間がかかるものの、診察はあっという間で、すぐに処置に移り、到着30分くらいで麻酔を打たれていた。体感的に、メスが入っていたのは10分くらい、あっという間に縫い合わされ、ガーゼでガチガチに固めた状態で、本日の処置は終了。
患部が関節に近いので、縫合の確認とガーゼの交換のため明日もういちど通院、そして2週間ほどで抜糸、という手筈になるとのこと。炎症防止のため、抗生物質の処方箋を受け取ってクリニックを出たのは、本当に到着から1時間ほどのことでした。
ただ、今日に関しては、このあとがいちばん辛かった。
何せ患部が関節なので、あまり脚を動かさないよう、歩幅を小さく歩くよう指示されたのです。……これから家に帰るのに。しかも、昨日、西日本から大いに崩れ始めた気候の中を。
ふだん、処方箋は地元の薬局に持っていくのですが、もはやそんな余裕はないので、クリニックに案内されるがまま、ほぼ真向かいの薬局に駆け込……じゃなくて、えっちらおっちら歩いて赴き、他に必要なものも購入して離脱。
幸いに、クリニックの最寄り駅も私の自宅の最寄り駅も、経路にエレベーターもエスカレーターもある。階段もなるべく登らないように、と言われてしまったので、遠回りをしてでも楽な手段を使いました、
自宅まで、階段はまったく使わずに済みましたが、まあ時間がかかること。わりあい近い場所なのに、帰り道は通常の倍以上の時間を要し、体力もだいぶ費やした。何なら、施術よりも帰り道のほうが消耗したくらいです。
昼食時に処方された抗生剤と、ストックしてある解熱鎮痛剤を服用。安静に過ごすように言われていたし、そもそも階段すらなるべく上り下りしないように、と言われたので、仮眠を取ったあともしばしそのまま横になって過ごしました。
帰宅後すぐに透析のクリニックには改めて連絡をしていて、今日は透析をしないように、と指示されている。なんでかというと、透析を実施する際は血液回路に抗凝固剤を投与するので、傷口が塞がるのを妨げてしまう恐れがあるのです。メスも入ってますから、入浴はむろんシャワーも浴びられない。従って、夕方以降にしていることの大半が不要になってしまった。
……というわけで、やけに余ってしまった時間を使って、少々長めなこの記事を書くのに費やしてしまったわけです。このあと、ちゃんと作業もします。っていうか、作業以外に出来ることはない。
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