『それぞれの孤独のグルメ 第二話 東京都足立区谷在家のセルフ食堂の朝ご飯』

 第二話のゲスト主人公はタクシー運転手、演じるはマキタスポーツ。友人を乗せて長距離移動をした帰り、事業所近くのセルフ食堂で腹を満たす。一方井之頭五郎も、徹夜明けで失敗に気づき……。
 前回は店の主人視点から五郎さんを見るだけで、“孤独のグルメ”としての側面は相変わらず五郎さんが担ってましたが、今回は序盤、本当にゲスト主人公の“孤独のグルメ”です。タクシー運転手として客を眺め、物思いに耽り、そして仕事が済んで減った腹を、自分にとって最高の形で満たす。たぶん今回の特別編で、いちばん見せたかったスタイルはこのエピソードからなのではなかろうか。お馴染みのアレも、五郎さん以外が披露するのはたぶんこれが初めて……だよね?
 マキタスポーツの佇まいはちょっと五郎さんにも似たところがある。だから、五郎さんのように初見で挑戦するスタイルではなく、安心して満足できる店を選んだ格好ですが、しかし選ぶものがなんだか五郎さんに相通じるのが面白い。そして、食べっぷりの良さもちゃんと踏襲していて、思いのほか本来のシリーズと違和感がない。この辺は、スタッフが定着してないことを嘆きつつも、松重豊や第1シリーズからの脚本家などがうまく舵取りを出来ているのだと思います。
 それにしても、セルフ食堂、というのはいい着眼点。意外にも、このシリーズではたぶん出ていないし、最近は減ってきたけど、確かにあった文化。これを楽しめるのは、ずっと利用してきた常連や、その醸し出す雰囲気も味わえる五郎さんならでは、です……でも、これで出ちゃったら混むけど大丈夫? 何なら私も気になってるぞ? 谷在家は知らない土地じゃないし。
 次回への連携のところでちょっとびっくりしましたが、まあこのドラマの性質上、たぶん尾は引きません。来週も楽しみ。そして、ラストに挿入された『劇映画 孤独のグルメ』にいっそう期待が募ります……東京国際映画祭、いちおうチケット確保に挑んでみるかなぁ。無理だと思うけど。

【劇映画 孤独のグルメ】|第37回東京国際映画祭(2024)
2012年1月よりテレビ東京にて、深夜でひっそりと放送がスタートした「孤独のグルメ」。食欲をそそる料理と松重演じる井之頭五郎の大胆な「食べっぷり」や「心の声」が話題となり、ハマる人が続出。そんな海外にも多数のファンを抱える「孤独のグルメ」が...

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