『それぞれの孤独のグルメ 第三話 東京都千代田区神保町の上タン塩とゲタカルビ』

 第三話のゲスト主人公は、前話の終盤で登場した看護師、演じているのは板谷由夏。救急外来を担当する看護師長の高垣晴美は最近、老眼に悩まされている。セカンドキャリアの話も持ちかけられるが、改めてこの仕事が性に合っている、と実感した夜勤明け、晴海は思いきってランチ焼肉を嗜むことに。
 今回は労働の充実感を味わった直後のやんちゃな食事。五郎さんがやってるのはそんなに意外性はないですが、本当にたまの冒険、という雰囲気が滲み出る設定が効いてます。この状況で、定食メニューではない本気の焼肉はそりゃ旨いだろ。そりゃあさぞかし旨いだろ!
 そして五郎さんとの絡み方もまたいい。てっきり、病院で交錯して、また流れで同じ店に、までが見せ場かと思いきや、ときどき五郎さんがお店でやってることを、違う角度から見せてるのが面白い。本来、視聴者だけが聴ける心の声が届いてるみたいに、やがて生じるエコーチェンバー。こうしてまた、番組に刺激されてお店を目指すひとが増えていく……かく言う私も、焼肉っていうより、五郎さんが最初に目をつけたアレが大変気になってます。
 3話まで鑑賞してみて、この特別編の眼目は、五郎さんを追うだけでは描ききれない食事の楽しみ方を見せることにこそある、と確信しました。何回やるか解りませんが、メインシリーズの傍ら、挟み込んでほしい気がしてきてます……“異なる視点”を探すのがどんどん厄介になっていくでしょうけれど。
 次回はまたガラッと変わって相撲行司、演じるのはユースケ・サンタマリアだそうです――ここでは触れてないけど、『全領域異常解決室』も観てるもので、最近難しい顔ばっかりしてるなこのひと、と思ってしまった。行司、ということは両国界隈が舞台になるのかしら?

テレビ東京開局60周年連続ドラマ 孤独のグルメ特別編 ドラマ24「それぞれの孤独のグルメ」 | テレ東・BSテレ東 7ch(公式)
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