『全領域異常解決室 第7話』

 時間は戻り、5件目の“神隠し”が発生する前。蛭児の狙いが神々の抹殺であることを察知した《全決》は既に、被害者に接触して注意を喚起していたが、蛭児は現代社会に対応した策を用いて神々に肉薄する。
 前回の、怒濤の伏線回収から続いて、第1話より遡るかたちで、背後に秘められていた事情を描いたエピソードです。前回だけでも色々な伏線が解きほぐされていったのに、今回は更に回収ラッシュが続きます。題材がオカルト、怪奇であっても、世界観が固まっていて、しっかり筋を通せばカタルシスが生まれる、という好例みたいな作りで、納得しつつも痺れます。
 一方で、この伏線回収のくだりはなかなかに胸を震わせます。彼らにとっても初めての事態に、意表を突く策で臨む一同、そしてそうした心境を踏まえたうえでフラッシュバックする過去の映像。その想いが溢れてくるようです、グッと来ます。
 そして、いよいよ登場したアレのそれらしき正体にもワクワクしてしまった。この役柄にこの人を起用する、というのが既にちょっとした趣向になってる。
 完全にオカルト要素が土台となっていることを明確にしたからこそ出来る特異な推理と、ダイナミックな展開。最初はオカルト要素の強いミステリ、という趣で繰り広げられた物語は、伝奇的なスリラーへと変貌しました。本質的には方向転換したわけではないんですが、この変化にいまいち納得しかねる人もいるかも知れません。しかし、そういう世界観、論理の元で展開するミステリであり、唯一無二の駆け引きが描かれるサスペンス、と割り切って楽しめば、非常にワクワクします。ようやくぼんやりと示された《蛭児》の目的の全貌、そして決着はどうなるのか。もうこのまんまラストまで一気に観たい気分です。あと何話だ? どこまで思惑は縺れていく?

全領域異常解決室 - フジテレビ
全領域異常解決室 オフィシャルサイト。毎週水曜よる10時放送。主演:藤原竜也

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