『それぞれの孤独のグルメ 第八話 東京都府中市白糸台のわらじとんかつ』

 今回のゲスト主人公は福山翔大が演じる期待の新人競輪選手・藤村智也。デビューから連戦連勝で、こんど勝てばA2昇格が確定した藤村。しかし、同じ試合で先輩の後藤が、2位以下なら引退確定、と聞いて動揺する。しかし、レースには腹を据えて出場、見事に後藤を下して優勝する。後藤から、賞賛のメールを受けて胸のつかえが下りた藤村は、外部との接触を遮断した4日間、楽しみにしていた特大とんかつの店に足を運ぶ。
 今回も、あんまり裏側を見ない仕事、競輪選手。公営ギャンブルの例に漏れず、試合前は外部との連絡を一切遮断する、というのは想像通りとしても、同じレースに出走する選手が同じ宿舎で待機する、というのはちょっと想像してなかった。確かに、こういう待機場所にも限りはあるだろうしなー。
 正直、福山翔大という俳優をあんまし見た覚えがないので、体格から本当に競輪選手に見えてしまう。この特別編シリーズでは珍しい、はなから五郎さんより食べそうなタイプなのがちょっと新鮮。そして挑むのも、大型のカツ2枚並んだわらじとんかつという。《孤独のグルメ》全体では、とんかつもけっこう繰り返し出てくるメニューで、それをまた新しい切り口で見せるのも、やっぱりこのゲストとの対比が生まれるフォーマットならでは。五郎さんがシンプルな上ロース食ってても問題ないし、一方で、調味料の種類で、同席する相手にちょっと影響されて、いつもと違うものを試してみる、というのもこのスタイルならでは。
 そして、このシリーズになって久々の追加オーダーも、ゲスト主人公が禁欲明けのアスリートならでは。わらじとんかつ食ったあとでたの炭水化物はちょっと凄い。一方で五郎さんも、ここでメインシリーズでも意外と出てこなかったメニューを追加している。特別編のフォーマットを用いつつも、これまででいちばん《孤独のグルメ》らしい内容だったかも。ヴェテラン選手役に渋川清彦、観客にトレンディエンジェルが2人揃ってるのもちょっと贅沢だし。
 次回のゲスト主人公はデコトラドライバー、演じるのは黒木華。正直、この人はメインシリーズのお店の人か、五郎さんの顧客あたりで出てきそうな感じなので、このゲスト自身が食べる特別編、しかもガテン系1の職場、というのはちょっと意外ではある。次回への繋げ方がちょっと洒落てました。

テレビ東京開局60周年連続ドラマ 孤独のグルメ特別編 ドラマ24「それぞれの孤独のグルメ」 | テレ東・BSテレ東 7ch(公式)
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  1. ……もう言わないか?[]

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