特別編も今回でラスト、最後のゲスト主人公は『相棒』伊丹憲一刑事こと川原和久が扮するタンカー船船長。中町洋介は近頃、若い部下たちとうまく交流できず悩んでいる。12月29日、久々に陸に上がった中町は、部下たちとの飲み会の予定も崩れたので、ひとりで食事をすることに。船中の食事でこってりしたものが続いて胃もたれしていた中町は、新人のとき船長に連れられて入った会席料理の店に赴いた――
今回のゲストは出だしから胃もたれを主張してて、明らかに五郎さんとコンディションが違う。しかも演じている川原和久は、公式サイトのインタビューによればもともと偏食の傾向で、料理次第では断るつもりだったが、提示されたメニューで受け入れたという。個人的に共感しかない。そして、そんな人なので、カウンターの先にいる五郎さんの注文に感心したり二度見したりしてるのも理解できる。この鶏白湯のスープによる鶏の水炊きにも興味あるぞ。
一方の五郎さんは相変わらず、その店の名物や、個性的なメニューに積極的に手を出します。卵を溶いたメレンゲと合わせて食べる豚の角煮なんて見たことないし、推奨しているのか解らない、冷や奴にそのメレンゲを載せる食べ方も面白い。そして最後はいつも通りの手口。
タンカー船船長という特殊な仕事ならではの描写は少ないし、料理のチョイスも、胃の弱ってきた年代の男が選んでいる、というくらいなので、もうちょっと個性は引き立てて欲しかった気はしますが、五郎さんとの対比としては成功している。
なにせ12話すべて主人公が違うので、職業や設定を選ぶだけでも一苦労なのは事実だろうし、選んだところで、相応しいキャストがいなければやり直しになったはずで、決して楽ではなかったはず。影響が露骨に出ることも判明して、従来以上に慎重にならざるを得ない店選びも含め、この特別篇は決して安易に作っていなかったはず。どうやら今回で一区切りらしいので、ひとまずはスタッフに敬意を表したい。
劇中の日付が12月29日だったことからも明白なとおり、五郎さんはどうやらエンディングの描写からそのまんま、年末恒例の大冒険に直行する模様。大晦日をリアルタイム鑑賞するのは2度目ですが、シリーズから繋がっていく感じは初めて。期待が膨らむなこれ。
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