上川隆也漬けである。

『問題物件』は終了しましたが、私は今週、ず~っと上川隆也漬けです。
 理由のひとつは、地上波が改編期の特番だらけで、観たいものがあまりなかったこと。そういうときは録画か、何かめぼしいものがあればBSやCSを利用する。
 そしてもうひとつは、このタイミングで今週、BS朝日にて『遺留捜査 シーズン6』の一挙放送が行われていたこと。CSの専門チャンネルだと、例えば2シーズンくらいのドラマシリーズなら、朝から晩まで、2日くらいに跨がってぶっ続けで放送してたりしますが、BS朝日は地上波と同様に決まった番組が放送されている。今週は、地上波と同様に改編期の都合なのか、夜の時間が空いているようで、1日2話ずつ分けて放送されていたのです。21時から23時という、地上波は特番で埋まってる時間帯に。
 あくまで再放送だし、このシリーズは1話完結なので、裏で観たい番組がある時間帯はそちらを優先しました――そのなかに同じ上川隆也主演の『問題物件』があるのがなんとも悩ましかった――が、他はすべて『遺留捜査 シーズン6』で埋めました。
 そして土曜日からは、作業のBGV代わりに、TELASAで『遺留捜査』を、シーズン1から観始めてます。
 auのビデオパスがテレ朝の動画配信サイトに切り替わったサービスであるため、成り行きで契約を続けてるんですが、なにせテレ朝はこういう刑事ドラマや『TRICK』、『家政夫のミタゾノ』といったシリーズがあるので、このあたりをまとめて鑑賞したいときには助かる。特に、『相棒』とか『科捜研の女』なんかは、ハマるのが遅かったので、最初の頃はまったく観ておらず、ちょこちょこ摘まんでます。
 と言うわけで、これを書いている現時点でもう『遺留捜査 シーズン1』の第5話まで鑑賞したのですが――今とかなり違う。
 既に完成している部分はある。遺留品の一部に拘って捜査を行い、結果として被害者の隠された本心や目的を解き明かし、遺族や関係者の心を救う、という基本のスタイル、そのくだりを始める前に「僕に3分だけ時間をください」という台詞や、「~って誰かが言ってましたよ」といった決まり文句も、第1話の時点で出来上がっている。
 他に違うといえば、シーズン1では警視庁捜査一課所属なのです。私が初めて観たときは月島中央署の刑事課所属、のちに京都府警に転属になって現在に至る、というのは知ってましたが、ドラマとしての最初が捜査一課だったのは知らなかった。上川隆也演じる糸村聡はだいぶ変人ですが、シーズン1は過剰に疎まれている。15年しか経ってないけど、周りの刑事の態度は色んな意味で問題だらけです。現実ならいまごろ全員、捜査一課飛ばされてる。
 対する糸村も、近年のシリーズ――というか、このあいだまでBS朝日で再放送されていたシーズン6とすら、挙措が違う。現在は、誰に対しても敬語なのですが、このシーズン1の時点では、同僚や後輩に対してはだいぶ砕けた話し方をしている。最近のシリーズは物腰柔らか、といった風情ですが、シーズン1は“軽い”と言ったほうがしっくりくる。
 最大の違いは――実は糸村刑事がむちゃくちゃ名探偵している。のちのシリーズ作品では、他の刑事もしっかりと仕事をして、彼らなりに真相に辿り着く一方で、糸村はそこから取りこぼす真実を関係者に齎す、という構造になってますが、シーズン1では、私が鑑賞した範囲ではすべて、他の刑事たちが軽んじる手がかりから、犯人に繋がる事実を探り当て、実質、糸村が解決してしまってる。他の刑事たちが真犯人を追及しているのを余所に、糸村は関係者に3分の時間をもらって、犯行とは別の真実を伝えるというのは一緒でも、のちのシリーズより更に冴えた人物の印象。そして、その目の付け所の確かさに気づかず、いつまでも侮ってる捜査一課の面々のぼんくらっぷりが際立ってる。特に佐野史郎演じる曽根係長。上に立ってるんだから、早いところ糸村の才能に気づいて利用しろよ。
 果たしてどの辺まで辿れば現在の糸村さん像が完成するのか、に注目しつつ、ちょっとずつ観進めていきます――あんまし一気に消化してももったいないし。次のシーズンがいつ始まるか解らないんだから、大事に楽しまねば。

遺留捜査(2011) | 国内ドラマの動画配信はTELASA(テラサ)-見逃し配信&動画が見放題
警視庁捜査一課・科学捜査係を舞台に、遺留品から真実に迫っていく!鑑識員たちが集める”遺留物”や”遺留品”を分析し、決定的な証拠を特定。犯人逮捕に至る…。このドラマの主人公・糸村聡(上川隆也)は、そんな現代の科学捜査のセオリーとは異なる方法で...

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