TELASAでの『遺留捜査』鑑賞、早くもシーズン1を終了、これを書いている時点でシーズン2の第4話に達してます……ラジオなどをBGMにするのをやめて『遺留捜査』を回してるから早い早い。
まだ14年ほどですが、シーズン1の警察の描写はあまりに前時代的、かつ捜査陣として無能すぎて苛々してました。糸村さんが引っかき回し、そして最終的にはこの人の自由すぎる捜査が解決に導いたうえで、事件に残るわだかまりすら解消するので爽快感が強いのですが、正直、警察の姿は胸くそ悪い。多かれ少なかれ、実際にこういう側面があったのでしょうし、佐野史郎さんらがそちらで憎まれ役に徹してくれたからこそ、糸村さんの天真爛漫さ、潔癖ぶりが際立ったわけですが。
しかし、そういう気分的なわだかまりを引きずったまま突入したシーズン2の第1話で、それが吹き飛ばされてしまいました。シーズン1で抱いた苛立ちが、そのまんま事件の背景となり、同時にしっかりと浄化した感さえある。犯人像はあまりにも悲しいものがあるんですが、警察社会に確実に存在した悪しき風潮へのカウンターめいた物語は、シーズン1のモヤモヤを少し解消してくれます。
何よりこのシーズン2、明らかに糸村さんがより活き活きしている。左遷されたとはいえ、末席扱いに等しい遺留品担当ではなく、ちゃんとひとりの刑事として扱われている。周囲から変わり者として見られていることは確かでも、ちゃんと糸村さん独自の視点で見つけ出したものが評価されているので、他の刑事に対する印象も悪くない。そもそも、初回の時点で個性がしっかり立ってるし。
まだ舞台は東京ですが、既に現在へと繋がる『遺留捜査』のスタイルがこのシーズン2で一気に確立されてる。シーズン1は、ミステリとしてのまとまりはいいものの、糸村さんがあんまし正当に評価されてないことの苛立ちが拭えませんでしたが、ここからはもーちょっと心穏やかに楽しめそうです。
……ただ、Wikipediaの情報なんかを参照すると、このあとに色々と心をざわつかせる展開が待ってそうですが、まあ、これだけ息の長いシリーズになってるんだから、そういうのも致し方なかろう。

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