力を抜きすぎてないかい?[レンタルDVD鑑賞日記その711]

 昨年5月リリースの『心霊闇動画42』を鑑賞。キャンプ中のグループが遭遇した怪異の記録“たき火を囲んで”、廃墟を訪ねたカップルに災厄を齎した怪異“ない人”、内見に訪れた家で投稿者たちが目撃した不可解な出来事“一軒家の住人”など全6篇を収録。
 かなり丁寧に『ほん呪』フォロワーに徹しているシリーズですが、今回はちょっと行きすぎてる。全篇ほとんど、怪奇映像の王道パターン。廃墟探索に暗がりのキャンプといったシチュエーションに、覗き込む目や背後から伸びる腕、など映り込む現象もありがちなものばかり。
 何度も言いますが、私は映像自体は合成でもいいのです。見せ方に説得力さえあれば。その点、今回は破綻が少ない、とも言えますが、しかしホントにありきたりなので、いまいち目を惹かれない。そのうえ、かなり注意しないと解らない怪異がほとんどだし、いざクローズアップしても「よく気づくな」と驚きや感心より先に呆れが来るようなものばかり。
 唯一、巻末の1篇だけはちょっと面白かったのですが、それならばこそ、掘り下げて欲しい点を軽んじているので、やっぱり物足りない。掘り下げ不足はこのシリーズの他の巻でもしばしば指摘している問題ですが、今回はそれが特に目立つ。
 感想を書くためにAmazon.co.jpのセル版ページを探したところ、その時点での販売価格が1000円を切っていた……1年前とはいえ安い。そのくらいいまいちだった、という証左なのかも。

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