今回、月額リストの設定をしくじってしまいました。まだ96、97を観てないのに、今年8月リリースのシリーズ最新巻『ほんとにあった!呪いのビデオ98』が届いてしまった……来たからにはまあちゃんと観ますけど。肝試しで入った山で恐怖を体験する《案山子》、奇妙な音のする掃除機を調べるため記録として回していたカメラが驚くべきものを撮影してしまう《掃除機の中》、毎夏恒例の連作の完結篇、ある女性の悲劇を巡る怪異の原点に辿り着く《終・ナガレモノ》など、全篇を収録。
というわけで、事情が把握出来ないまんま、夏の連作の完結篇を先に観る羽目になってしまった。お陰でまったく流れが掴めぬ。
とはいえ、それでも今回の演出はなかなか信頼性は高いのでは、と改めて実感してます。見せ方や展開が、『ほん呪』らしさを踏まえ、決して虚仮威しだけではないじわじわと迫る怖さを巧く表現してます。用意されていたパーツが噛み合い、不完全ながらもひとつの構図を為していく終幕は、それまでの伏線を把握してなくてもなかなかの圧巻。最後に、微妙に軸を逸らされるのも憎い。関係者が決して本当のことを証言しているとは限らないし、事実だとしてもそれはそれでまた、核心まで辿り着いていない怖さがある。
単発ものもまあまあ見られる……いずれももはやありがちの手法がメインだし、過去にいちど取り扱った題材なのに、そこに言及していない甘さも感じましたが、まあ、あのときのエピソードと直接繋がっているわけではないようだし、毎回のように見たこともない現象が記録されてたり、それが投稿されるような状況の方が不自然だし、単発ものとしては許容範囲……でもやっぱしそれでも、個々のエピソードをよくよく考察していくと、なかなかに変なこと怒りすぎてるんですけどね。また、掘り下げたらもっと面白そうなネタをそのまんま投げ出しているのも気になるといえば気になる。
それでも、松江哲明あたりから繋がっていたスタッフの連携がほぼ途切れたあたりから窺えた下降線が、だいぶ持ち直してきた印象があるのは嬉しいところ。あと2巻でいよいよ3桁に突入しますが、今後も生き残って欲しい。
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