2月23日に、2022年3月リリースの『Not Found 47-ネットから削3除された禁断動画-』を鑑賞。ライブ配信で行われた悪質な悪戯の当然な顛末《カミソリマン》、AD杉本に届いた不思議なメールから始まる《未来からきた男》、娘を撮った写真に起きた変化を調べてほしい、という依頼が思わぬ展開を迎える前後篇《取り憑かれた娘》など、全6篇を収録。
前巻は久々になかなかの仕上がりでしたが、今回もかなりの見応え。終わったかに見えた、痛い系統の動画が復活しましたが、それすら従来と展開の方向性が違う。ぶっちゃけ、この痛いシリーズも基本はフェイクなのは解ってますから、ほしかったのはヴァリエーションだったのです。ゆえにこういう方向性ならまだ受け入れられる……まあ、そう言いつつ、早回しで観ちゃったんですけど。
そして相変わらず収録されてる、AD杉本の珍レポートは、久々に(……前にもあったよね?)“次回に続く”パターン。今回の流れだけなら、一部不思議なことが起きているとは言い条、やっぱり基本的に「また杉本は変な奴に捕まってぇぇ」で終わるんですが、決着を見せないのは妙に興味を惹かれてしまう。まあ、やっぱり何か変なのに引っかかっただけ、で終わるとは思うんだけど。
白眉はやっぱり前後篇の《取り憑かれた娘》でしょう。まあ、そもそも持ち込まれたいわゆる“心霊写真”に、言及されていない不審なところがある時点で少し察しろよ、とは思いましたが、依頼人に招かれて部屋を訪ねたあとの成り行きはけっこう面白い。スタッフが拾いきらなかった不審点が匂わせるものが、いい意味での不気味な余韻と、そして妙なやるせなさも生む。ちゃんと怪奇映像も含まれていて、エピソードとしてなかなかいい。
怪奇映像単品ものは今回は2本、これらも仕掛けであるなら単純、でも成り行きに工夫があって、ショートホラーとしていい仕上がり。
50巻という大台に迫って、独自の世界観のなかで熟成を遂げた気がします。だいぶ長いこと、いつ切るかいつ切るか、と思案しつつ遅れ気味に追っていたシリーズでしたが、もうちょっと期待してみてもいいかも……でも、スタッフを追加するとか、もうちょっと入れ換えを考えるとかしたほうがいいとは思う。古賀D、杉本AD、柿崎カメラマンという3人があっての作品のカラーだとしても、正直みんな歳を食ってきちゃったし、何らかのかたちで変化や循環は必要だと思うの。
……しかしこの巻、なにより気持ち悪かったのは、《未来からきた男》のなかで、AD杉本が待ち合わせとインタビューに使ったの、ついこのあいだすぐそばを通りかかった場所だった、ということだったりする……あの《甘酒横丁》、がっつり通ってるのよ……それだけといやそれだけなんですが。
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