3月30日に、2023年1月リリースの『呪われた心霊動画XXX_NEO 16』を鑑賞。自殺した恋人が最後に何故か縁もゆかりもない場所を旅した写真が残っており、そのGPS情報をもとに足跡を追った投稿者が遭遇した怪異《センチメンタル・ジャーニー》、全エピソードに登場した謎の映像に過去の作品と繋がる要素を発見、当時の投稿者への追加取材が思わぬ展開を見せる《二重鳥居》、廃墟となったアパートで拾ったVHSテープの奇妙な映像を巡るエピソード《多幸感 ドラッグ・ビデオ》の全3篇を収録。
もはやシチュエーションの特異さ、作品としての面白さでは同種のシリーズでトップと言っても過言ではないシリーズの最新巻……好きすぎて、遂に追いついてしまったよ。
今回はわずか3エピソード、しかし相変わらずクオリティは高い。最長となる冒頭の《センチメンタル・ジャーニー》は写真データに記録されたGPSデータをもとに足跡を辿って遭遇する怪異、というシチュエーションの着眼がまず秀逸。そして訪ねた土地の絶妙な薄気味悪さ、体験した出来事の異様さがインパクト大です。怪異の映像自体にはやっぱり“加工やろ”とツッコまざるを得ない違和感がありますが、とにかくシチュエーションが面白く、展開自体が怖いので、映像としての不自然さがほとんど気にならない。
続く《二重鳥居》はこのシリーズらしさの光る1篇です。《センチメンタル・ジャーニー》に登場した映像と過去の巻で紹介したエピソードに繋がりがあるのでは、と気づいた取材班が問い合わせをしたことで判明する、当時の投稿者に起きた異変。別の人物によって語られる経緯が漂わせる薄気味悪さもいいのですが、凄まじいのは着地点です。こういう展開はちょっと予想できない。尺としては《センチメンタル・ジャーニー》より短めなんですが、強烈さでは一段上。
最後の《多幸感 ドラッグ・ビデオ》も名品。この手の怪奇ドキュメンタリーの定番、廃墟への潜入を取っかかりにしていますが、その潜入中の映像は静止画しかなく、拾ってきたもののほうがミソ、というのが意外。そしてその後の展開は、やっぱり予想外で衝撃的です。最後の怪奇動画は毎度の如く、観る者の精神に影響を及ぼしかねない、という警告つきですが、正直この映像は、感受性が強いと本気で悪い影響が及びそう。
今回も出来は安心、鑑賞中の気分は猛烈に不安定になる、怪奇ドキュメンタリーとしては文句ないクオリティ。これだけは毎回、返却前に3回は鑑賞してしまうのですが、今回もこれを書くまでに既に3回再生させてます。
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