お供え物は盗っちゃ駄目絶対。[レンタルDVD鑑賞日記その867]

心霊盂蘭盆 Vol.3 忌わしの呪家(Amazon.co.jp商品ページにリンク)

 7月4日に、2018年4月リリースの『心霊盂蘭盆 Vol.3 忌わしの呪家』を鑑賞。アウトドアが趣味の投稿者が妻とともに訪ねた廃村で悲劇に見舞われる《地図から消えた廃村》、心霊番組のロケハンに向かったADの軽率な行動が災厄を招く《傀儡廻》、購入を検討した空き家を訪ねた夫婦が恐ろしいものに遭遇する表題作など全5篇を収録。
 今回は全般的に、投稿者や被写体の軽率な行動がおぞましい事態を引き起こす、というエピソードが多い。まず変なところには近づくな、住民や風習を軽視する言動は控えろ、という教訓がある……というわけではないでしょうけど、結果として、映像中で悲劇に見舞われる人にはあんまし同情しにくい。
 ただ、相変わらずホラーとしては面白い。《傀儡廻》の不逞な振る舞いに当然のしっぺ返し、という展開はある意味ではホラーの定石とも言えますし、《鏡合わせ》だって、望んだとおりのものを見られた、という筋書きでもある。しかし、そこに至る筋立てが曖昧で派なく、視聴者側の抱く印象を明確に規定するので、悪い意味での衝撃がない。シンプルだけど、ちゃんとしてる。
 いちばん気の毒、と言えるのは、ソフトのタイトルにも引用された巻末のエピソードでしょう。直接交渉で安く入手出来る空き家、なんてホラーでなくても警戒したほうが良さそうなものですが、これは暮らしはじめたあとではなく、内見の段階です。避けようのない状況でここまで深刻な事態になってる怖さ。シチュエーション的に、同じ方法で家を探したら遭遇してしまいそうな、距離の近い怖さもある。
 フェイクと解釈した場合に指摘したい点もちらほらありますが、全体では一定のクオリティを保ってる。このくらい出来てれば、ストレスにならなくていいです……楽しみで観てるくせにストレス感じてる私もどうなんだ、とは思うけど、そんなわけで次巻もいずれ借ります。

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