7月24日に、2018年6月リリースの『心霊曼邪羅9』を鑑賞。一部のオカルトマニアに有名なスポットで不敬な行為に及んだ友人を災厄が見舞う《首無し地蔵の呪い》、自治会が催しの反省会を実施しているところに、予想外のものが侵入する《無関係者の入室》、水路に泳ぐ魚を見つけて追っていたカップルが思わぬ恐怖に遭遇する《地縛霊の呻き》など、全11篇を収録。
相変わらず、映像内の展開はそれなりにうまく出来てる。特に《無関係者の入室》は、固定カメラゆえに全体が見えないことで、視聴者が現象にすぐに確認出来ない、という構造になっていて、それが巧く興味を惹きつける形になっている。肝心の怪異がなんだかチープでも、この見せ方は悪くない。
ただ、これもまあまあのペースでリリースしていたせいか、パターン化がいよいよ顕著になっていることもさりながら、映像に登場する人物の反応に不自然なところが増えている気がするのも残念。その点でいちばん気になるのは《屋上の怪奇》です。現れては消え、を連続で繰り返す、そして顕れ方が様々なパターンを網羅しているだけに過ぎないのはまあいい。夜の屋上で撮影をしていたとき、急に見知らぬ人が現れたら、隣にいる彼氏に確認する前に、どう対応すべきか、という戸惑いがもうちょっと出ていていい。姿が見えなくなったあとの探し方も微妙に違和感があるし、もうちょっと繊細さが欲しい。
《指輪を無くした友人》のように、反応そのものは問題は感じないし、展開もいいんだけど、最後が安易すぎて失笑を誘うものがあるのも悩ましい。工夫はあるんだけど、そこに落とし込む怪異が安易に、パターン化に陥っているのがもったいない。あともう少しの試行錯誤で面白さも説得力も増しそうなのに。
怪異よりも、映像を撮る大前提やその言動が興味深く、背景を掘り下げたら面白くなりそうなものが増えてきた印象がある。やっぱり、取材パートがそろそろ必要になってきてなかろうか……姉妹シリーズの『心霊盂蘭盆』と差別化出来なくなっていきそうですが、どうなるやら。
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