収録の仕方が狂ってる。[レンタルDVD鑑賞日記その893]

『呪われた心霊動画 XXX ZERO』(Amazon.co.jp商品ページにリンク)

 12月19日に、2024年10月リリースの『呪われた心霊動画 XXX_ZERO』を鑑賞。不可解な目撃談が相次ぐ公園で、それに遭遇した投稿者が撮影した異様な一部始終《ぶくぶくさん》ノンフィクション作家を志しながら突如命を絶った女性が遺した異様な隠し撮り映像《チブク》、映画同好会の倉庫に保管されていた異様なフィルムを全篇収録した《幽霊フィルム》など、全5篇を収録。
 通し番号が100に達したところで新シリーズに移行、というルール、2度目の適用によって、タイトルが『XXX ZERO』になりました。しかし、タイトルロゴから、前シリーズの《チャンネル0》引っ張る気満々である。いいけどね。
 仕切り直した途端、いきなり飛ばしてます。冒頭から、恐怖というより奇妙な体験である《ぶくぶくさん》が来て、巻末にはどう考えても問題作《幽霊フィルム》が入ってる。
 巻末の《幽霊フィルム》、怖いは怖い。しかし、映るものの怖さよりも、この映像がこんな状態になっていること、そしてそれをそのまんま収録してしまうスタッフの判断が怖い。映像のルールと意図は理解できる、けど、誰がそれに気づいて、ルールが適用されるかたちに編集したのか。変化を圧縮して提示する、とかせず、あえてそのまんま視聴者に提示する本篇のスタッフも少々、ヤバい。このシリーズ、というより怪奇ドキュメンタリー全般を通して初めて、観ていて気が狂いそうな心地がしましたし、早く終わってくれ、と念じてしまった。この見せ方しかない、というのはよく解ってるけれど。
 他の映像もなかなかに不気味です。《家路》は音声だけかと思いきや、違う形で映像が立ち現れ、そこに奇怪な事実が介入して、怪談として完成する。《中古車》は、様々な映像技術が氾濫したいまならではの、あり得ない場所にあり得ないものが映り込む、という代物ですが、たとえ作り物でもこれは薄気味悪い。
 とはいえ、やっぱり過程から終始異様で、生身の人間の行動さえも、意味不明ながらひとつの意図を感じさせ、現れる怪異にも戦慄させられる《チブク》と、あることだけで怖い《幽霊フィルム》は出色。悦ぶのは病膏肓に入ってしまった私のような奴くらいのものでしょうが、仕切り直し早々飛ばしてくるこの感じが実に頼もしい。新シリーズも引き続き、積極的に追いかけます。

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