2月23日に、2025年1月リリースの『呪われた心霊動画 XXX_ZERO 02』を鑑賞。自分の撮影する映像に謎の異変が生じることに悩んだカメラマンの顛末《斜め上》、一人旅を好む青年が遺した、なくなる直前の奇妙な映像と行動《ダラ》、失踪した妻が置き去りにした自家用車のドライブレコーダーが記録した不気味な映像を巡る《2月103日》など、全7篇を収録。
やっぱりこのシリーズは好きだなぁ。怪異の起きた映像にどうも作り物っぽさは感じてしまいますが、投稿者の証言、映像として記録された経緯などが、怪談として成立しているから、それぞれ不気味だし、充分に怖い。
各々、インパクトは強いのですが、投稿者とともに現地を訪ねる過程があることで異様さが際立つ《2月103日》と、怪異を記録した映像そのものはむしろこういう怪奇ドキュメンタリーではありがちな代物なのに、展開が一種、不穏な詩のような趣さえある《雲を掴む話》が秀逸だと思う。
惜しむらくは、映り込んだ怪異の“表情”が、ほとんど似たり寄ったりになっていること。これは、このシリーズではしばしばある、複数のエピソードに関連性があることを仄めかすものなのかも知れないけれど、それにしては弱く、けっきょく作り物っぽい不自然な印象を生み出す原因になってしまってる。これだけ危険なエピソードを集められるシリーズなんだから、もうちょっと計画的に配置すべきではなかったか。
少々辛口の評価になりましたが、これはこのシリーズに求める理想が高いからです。新シリーズとして仕切り直した途端に、狂気を感じさせる映像をそのまんま収録してしまった前巻の凄みまでは至っていないものの、充分、全篇に“触るな危険”の匂いがする内容です。
……2本目と巻末に収録された《ダラ》と《ダラ、その後》に、最近お気に入りで繰り返し読んでいる某漫画のあの人(?)が出てくるのを期待してしまったのは、きっと私だけではあるまい。
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