9月19日に、2025年7月リリースの『呪われた心霊動画XXX ZERO 04』を鑑賞。勉強会と称した啓発セミナーの撮影を依頼された投稿者が記録してしまった怪異《マリコさんの席》、投稿者のために友人が、動画編集の作業を解りやすく、PC画面を動画で記録していたときに起きた奇怪な出来事《インターネットに接続されていません》、レンタルスペースの客から来るクレームの原因を調査するため設置した固定カメラが捉えた異変《面接する女》など、全5篇を収録。
『封印映像72』と同時に届いたのですが……低水準安定だったあちらがちょっと好感の持てる仕上がりだったのに対し、高水準安定だったこっちがちょっと低調な印象で、レベルが近づいてしまった感が。まだこっちの方が雰囲気や怖さなどはあるんですけど、展開の変化や、怪異のクオリティとかが全体に低調。
とりわけ残念なのは《記憶のない思い出》です。幼馴染みと大学で再会し付き合い始め、一緒に行った思い出の林間学校を訪ね、投稿者の彼が思い出したタイムカプセルを掘り出してみたら――といった展開は地に足が付いているし、そこからの成り行きもだいぶ不気味。しかし、最終的に映像として記録される怪異が、あまりにも安っぽくて白けます。そこはそういうんじゃないだろ。タイムカプセルにした缶と、他の中身の状態からはあり得ない品物とか、その内容で充分不気味だし、後日談も含めて異様な余韻を留めるのはいいんだけど、いちおう映像の怪異もないとマズいから、という言い訳でプラスしてしまったのがあまりにも見え透いていて、本当に冷める。このエピソードだけ作り直し、と突っ返したくなる。冒頭の《マリコさんの席》も、導入は面白いけど、怪異がある種、お約束過ぎて拍子抜けしてしまう。
都、辛めな評価をしてますが、ただあくまで“このシリーズとしては低調”なだけであって、ちゃんとまとまっているし、不気味なエピソードだらけです。
《インターネットに接続されていません》は、PC画面を動画でキャプチャする、という過程を経ていたからこそ怪異が記録された、というプロセスが面白いし、背景がまったく解らないのもホラーとしては正しい。《アナログ時計とデジタル時計》は以前にも同様のシチュエーションで撮影されたエピソードはあったものの、怪異が特殊すぎて魅せられます。《面接する女》も、確かに不気味だけど巻末を飾るにはちと物足りない、という嫌味はあれど、ここで終わっているからの異様な余韻は忘れがたい。
とにかく、厳しいことを書いてしまうのも、このシリーズが基本的にはハイレベルで安定していればこそ、です。まだ前フェーズでの因縁も残っていそうなので、今後も変わらず追い続けます。
1本は“要再検討”。[レンタルDVD鑑賞日記その908]

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