以下、昨日の話。
今年も東京03単独公演の時期が来ました。このところ、“初日と追加公演の仕上がりの違いを楽しむ”というめんどくせぇファンの喜びに目醒めてしまったから、というわけではなく、ただ普通に「平日は土日より取りやすい」というシンプルな理由で、初日を最優先で押さえるようにしてます。そろそろファンアプリの会員も増えてきたのか、第2候補で指定した土曜の公演は解りやすく外れたので、けっきょく悩む余地もなくなったわけですが。
会場は馴染み深い恵比寿ガーデンホール。ここは使いやすい駐車場がガーデンプレイス内にあるので、基本的にはバイクを使って訪れます――が、当初の予報は終日、雨。だんだん後ろにズレ込んでいったものの、帰りの時間に直撃する可能性が残ってしまった。コロナ禍の影響で通販メインに移行していたグッズ販売が、今回からオンラインは公演初日12時スタート、会場での販売もちゃんと行われるようになったらしいので、帰りには濡らしたくない荷物が増えてるはず。それを抜きにしても、雨の夜にバイクで走るのはゾッとしないので、素直に電車移動です。
開場は18時半、グッズ販売のためのロビー開放は告知では15分前。しかし、今回も早めに現地入りして、早めの夕食を摂ることにしました。
前に立ち寄っていた店は新宿に出戻り、他に見つけた店は、ある理由で見限ってたり、ちょっと好みに合わなかったりしたので、予めネットで検索して、気になったお店をチェックして置きました。人気店なので、いつ訪れても混んでいる、みたいな評があったので身構えていたら、さすがに17時台はガラガラで、余裕で入店。味も予想どおり好みだったので、次回以降の恵比寿訪問で使えそう。
やや時間を持て余しましたが、お陰で余裕を持って入場。懸案だったグッズも、問題なく買えました。トイレも済ませ、あとは座席にてゆっっっくり待機。
ちなみに今回の座席はA-15――座席表を見なくても解る、最前列のほぼど真ん中。前から2列目くらいはあった記憶がありますが、ここまでかぶりつきを取れたのはたぶん初めて。前日まで席番号をチェックしてなくて、スマホチケットで確認して、喜びとおののきが同時に襲ってきました。最前列でのライブ鑑賞は、それなりに緊張もあるのよ。
ここからは本篇の感想。このあとネタばらしを回避されたい方は、スクロールせずに別のところへご移動ください。
恵比寿 The Garden Hall入口前にに掲示された『第26回東京03単独公演「腹割って腹立った」』ポスター。
お馴染み大竹涼太元マネジャーによるピアノ演奏をバックにしたオープニングのあと、最初のネタは《謹聴》。相変わらず、“確かにこういう奴たまにいる”という着眼からの転がし方が巧い。一部、台詞が被っているその加減まで計算されてて、のっけからたまりません。
お次はテーマ曲……タイトル記憶し忘れてしまった。しかし、前の単独公演と同じく角田さんのひとり演奏、ではあるけれど、更にグレードアップしてる。たぶんアレンジはカンケさんなんでしょうが、この感じを再現しただけでも賞賛したい。ああ、サントラの販売が北海道公演以降なので、すぐに入手出来ないのが口惜しい。
2つ目のネタは《角砂糖》。タイトルだけだと「何だそりゃ」ですが、東京03と同年代くらいでステージに立つひとなら覚える感覚をうまくネタにしている。
最初の幕間は《突然やってきた男》。最近定番化した、幕間のみで連結していくドラマです。のっけからメタフィクションなやり取りで、ちょっと飛ばしすぎでないか? と心配になりますが、ちゃんと繋がっていくのだなこれが。
3つ目のネタは《好々爺》。ときどき出てくる角田さんのお爺さん芝居に、持ち味であるひねくれっぷりがミックスしていい感じにデンジャラス。時々、スッと表情が変わるのもヤバくて可笑しい。
2つめの幕間は《とある田舎の老夫婦》。先の幕間だけでなく直前のネタともリンクしている。ここだけ見ると、直前のネタでああなってるのも当然と思えてきます……が、そのあとのオチが効いている。誰に対して発信してるんだ、と考えると余計強烈。
続いては《昔話》。久々の飲み屋シチュエーション。しかし、03がただいつも通りにするわけもない。序盤から演技に鏤めた違和感が爆発していく終盤がたまりません。そして、どー考えてもいちばん頑張ってるのは角田さんなのに、全部攫っていく豊本さん、という構図がまた03らしい。
続く幕間は、これも東京03単独公演の定番となったニイルセンの手描きイラスト&文字に実写を組み合わせたくだり。そしてやっぱり、先行する幕間ドラマとも繋がっている。しかもそれだけではないのが楽しくて仕方ない。最近は恒例となった幕間の連続ドラマも、どんどん趣向が複雑化していますが、今回は更に込み入っている。
5つ目のネタは《間》。シチュエーション的に、昨今のやたらとコンプラに雁字搦めになった地上波ではかけられない類のもの、だけど展開はやっぱり東京03。この展開から予想もしていなかった、そしてファンが薄々感じていたことを利用した、頷けてしまう内容。締め括りもいいひねり、だけど一考の余地はあるかも知れない。なんとなく、もっと面白くなりそうなんだよなー……素人考えですが。
お次の幕間映像は、こちらも単独公演お馴染みの歌ネタ。直前のネタにかけたものですが、こちらもアヴァンギャルドな趣向。しかも本篇の色々なネタに絡んでくるので、あちこちでくすぐられる。やっぱりサントラが未発売なのが辛いな……。
恐らく飯塚さん脚本としてはラストのネタは《一人相撲》。これも東京03恒例の、飯塚さんがサボりたいために書いたネタと思われますが、しかし3人ともステージにはいる。けれどちゃんと“一人相撲”なのです。このくだりは最前列どまんなかで堪能出来たのは幸甚でした。そして急カーブを描いたオチも好き。
幕間映像のラストは、ドラマも最終回。本篇のネタも搦めとりながら着地していきます。今回は薄々感じていたことが締め括りなので、個人的に驚きはなかったのですが、そこまでの色々な伏線回収の仕方が楽しい。
そして大トリのネタは《やめる》。前作と同様、幕間ドラマを受けた話になるかと思いきや、テーマを受け取りつつ、本篇中のあるネタの延長になっていた。今回、ライブのタイトルをそこまで強く意識した構成にはなっていない印象でしたが、この1本でだいぶ集約している。角田さんと飯塚さんの入り組んだやり取りが、ほぼ同世代としては色々と頷けるので、笑いつつもちょっとしみじみする締め括りでした。オチの切り捨て方はスゴかったけど。
エンディング曲……もタイトル確認し忘れた。ガッデム。しかしひとつ確信したのは、元ネタがプロコルハルムの『青い影』であること。メインメロディがいつもの角田節だから伝わりにくいけど、間奏がまるっきりあのテイストでした……嗚呼、返す返すもサントラですぐに聴き直せないのが辛い。
以上で初日公演は終了。この人達のスゴいところは、基本的には初演の段階でほぼ練り上げられていること。ある程度、どこが受けるのか、どういう間なら効果があるのか、を解っていて、それをナチュラルに演じてみせてしまうのが素晴らしい。しかも、観客の反応を身ながら調整を施し、毎回行われる東京での追加公演では、より面白くなっている。途中に新しいやり取りが追加されていることもあれば、時としてオチが変わったりもする……ということを力説している私は、たぶん今年も追加公演を観るのでしょう。さすがに今年も劇場まで脚を運ぶかは解りませんが、最悪、配信ではちゃんと観る。
The Garden Hallを出てみると、予報通りにちゃんと雨が降っていた。しかし、The Garden Hallでのイベントは、駅に至るまでの道程に屋根のない区間が少なくて助かります。スカイウォークと称する動く歩道の区間はずーっと屋根があるので、折りたたみ傘で充分間に合いました。
ちなみに今回購入したグッズは、パンフレットとTシャツ、それに能登半島地震チャリティミニタオル2枚。最後のは、収益がそっくり被災地支援に充てられるそうなので、安いのをいいことに2枚購入。そして何より、鑑賞した熱が冷めないうちに、ネタばらしありのロングインタビューを掲載したパンフレットを読めるのが嬉しい。やっぱしグッズは会場で買いたいよね……出来たら、サントラも初日から準備できてたらよかったのになぁ。
なお、前回の単独公演のブルーレイも会場で購入しました。単独公演は発売を新しい公演の初日に合わせてくれるので、一緒に購入するのも習慣になってたりする。Amazon.co.jpとかなら割引もあるんですが、いちおう特典も付くし、ライブの収益にもなるはずだし、ね。
以上、移動する電車の中でだいぶ感想を書き進められたので、日付が変わる前に
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