『絶対可憐チルドレン』29th sense.「手練手管!天国にいちばん近い海」

 管理官の不二子の命令で、皆本が連れて行かれたのは、海辺にある、末期医療を手懸けるホスピス。予知された、成長した薫を皆本が銃殺する、という悲劇を避けるためには、皆本とザ・チルドレンの三人組がくっつくのがいちばん手っ取り早い、と考えた不二子は、このホスピスで患者の苦痛緩和のため、想い出の人物に化ける能力を駆使する末摘花枝の力を借りるのだが……

 うん、やっぱり方針転換以降のほうが私は好き。作画のレベル自体は改善してませんが、ギャグがギャグとして成立しているし、方向性にブレがないので集中していられる。そのうえで、これまでのアニメ版で無理矢理定番化させていた決めポーズを踏襲してギャグに仕立てる姿勢も立派です。そこで解禁する必要はないだろ、しかも普段より表現が軟らかいし。

 しかし驚いたのは、今回末摘の正体に触れていなかった点です。原作があちこちに散らばって埋没している都合上、いちいち原作にあたって確認することができないのですが、末摘の正体って初登場からすぐに発覚していたような。そこを避けたのは、あまりに毒がありすぎることを考慮して排除したのか、或いはこのあとに改めてサプライズとして提示するつもりなのか。何にしても、そこでもうひと波瀾あるのかと思っていたらスルーされたことに逆に吃驚。

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