実質は6本立てだったかも知れない。

 今週は、今やっている作業が一段落したら観よう、と思っていた作品があったのに、手こずって片づかず、けっきょく週末までずれ込んでしまいました。あまりにブランクが生じるとストレスが溜まるので、今日はお出かけ。

 訪れたのは渋谷、2本立てです――と言っても1本目は短篇の詰め合わせ、合計でも40分ぐらいしかありませんが。渋谷の劇場の中でも特に変わったデザインであるライズXにて鑑賞した1本目は、コマ撮りによるアニメーション・シリーズの最新作、こまねこのクリスマス 〜迷子になったプレゼント〜』(dwarf・配給)。シリーズ前作『こまねこ −はじめのいっぽ−』に、同じスタッフによるNHKBS放送作品『どーもくん』の短篇やTVスポットも同時上映されているので、これだけで都合5本立てとも言える。

 お話の内容よりも、ぬいぐるみによるコマ撮りならではの、柔らかな質感と滑らかな動きを眺めるのがまず愉しい。でもメインの『こまねこ』は、ヴィジュアル面での工夫もさることながら、お話の組み立てにも配慮がしてあって、安心して和めます。

 次の作品はほぼ同じ場所にあるシネマライズでの上映、しかし観終わってから40分ぐらい間があるので、近くのアップルストアに寄ったりして時間を潰してから再訪。返す返すも、ブックファーストが移ってしまったのが痛い。

 本日2本目、或いはだいたい6本目は、『マルコヴィッチの穴』や『エターナル・サンシャイン』の脚本によって映画界に独自の地位を築きあげたチャーリー・カウフマン初監督作品、大金を手に入れて自分の望み通りの演劇を作りあげようとした男の奇妙な日々を描いた脳内ニューヨーク』(Asmik Ace・配給)

 期待していたからこそ初日に観に来たわけですが……正直、観終わったときは少し失望してました。観ていて本気で眠りそうになったのは久々だったもので。しかしあとでよくよく描写をひとつひとつ拾い上げて検証してみるほどに、評価が改善しました。わざと曖昧に描いているわけですが、それによって作りだされる意図的な矛盾の興味深さ、解釈の幅広さが実に面白い。如何せん、普通の映画のようには楽しめないので、安易にお薦めは出来ませんが、ただならぬ作品であるのは間違いないです。……他の人が演出していたら、もーちょっと眠気を誘わずに済んだのかも、とは思いますが。

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