島根旅行2019、余録。

 酒林堂八雲の最終公演が終わる時刻にはもはや出雲空港から飛行機は出てません。必然的に、帰りは翌日になる。費用を抑えたい一心で選んだ飛行機の離陸予定時刻は、7時55分。

 ……もちろん、後悔しましたよ。松江から出雲縁結び空港までは直通バスがありますが、40分はかかる。バスの到着時刻は荷物検査も考慮して余裕を設けられているため、松江しんじ湖温泉駅を出発するのは6時20分。つまり、それまでにホテルをチェックアウトしなきゃならない。

 寝坊を避けるために、一睡もしない道を選びました。

 旅先で昂っていたせいか、意外と何とかなる。テレビをつけてもおおむね放送休止、放送してても気になる番組はやってませんが、私には自宅のレコーダーがある。ホテルのWi-Fiに繋げれば、通信費は気にせず、自宅で録画した番組が鑑賞出来ます。金・土・日は観ているテレビ番組が多く、帰ってから追々消化する気でいましたが、結果的にほとんど鑑賞出来ました。

 午前5時頃、このまま部屋にいると眠ってしまいそうだったので、さっさとフロントに降りてチェックアウトの手続を行い、ついでにスーツケースを宅配便に預けて貰いました……そうでなくてもヘロヘロなのに、お土産などで重量を増したスーツケースまで引きずってたら余計に消耗します。ただ、要るものだけは手荷物にしよう、と鞄に詰めたら、まあまあ重かった。

 ロビーに陳列されているチラシとかお土産類を眺めてしばし時間を潰し、空が白んできた5時半頃にホテルを退出。あとはバスが来る松江しんじ湖温泉駅売店あたりで朝食を摂り、落ち着くつもりでした。

 まだ、開いてなかった。

 6時近くなって、ようやく駅舎が開きましたが、まだ売店は始まらない。寝不足に空腹まで加わって次第にボーッとしてきた。座りたいけど座ったら眠りそうで、とりあえず眠っても空港まで連れてってくれるバスに早く乗りたい、という一心で、ひたすら空を睨んでました。

 そして念願のバスが到着。自分でも意外でしたが、車中では少し意識が飛ぶことはあっても、完全に寝入ることはありませんでした。

 とりあえずゲートをくぐり、中の売店で軽食を買って腹を満たそう――という私の目論見は、係員の方の「中の売店はまだ営業してない」というひと言で崩れました。仕方なく、上階の展望ロビーに赴き、既に開いているお店へ。基本は蕎麦や海鮮料理を提供する居酒屋のようなところなのですが、モーニングも用意している、とある。実際にモーニングはあったんですが……正直、今朝の私の体調には多かった。申し訳なく思いながらも、半分くらい残してしまいました。よくよく考えれば先に「少なめで」とお願いすれば良かったんですが、もはや眠気で他人に気を遣ってる余裕はなかったのです。

 もうあとは待合ロビーで座っていよう、と思い、保安検査を通過してきましたが、その直後、出発の延期が発表されたのでした。

 まあ、たぶん遅れるだろうな、とは思っていた。なにせホテルで放送中のテレビをちょっと点けてみたら、強風と豪雨に晒された羽田空港を生中継してたんですから。ホテルのロビーで待っているあいだ、何度もネットを確認し、休航扱いになってしまったらそのまんま延泊の手続をしよう、と腹を括りつつ、とりあえず空港まで来てみただけなのです。なにせ、縁結びパーフェクトチケットは空港直行パスにも適用されるので、有効期間内なら無意味に往復しても追加の支払は発生しない。最悪の可能性を考えていたので、遅れるくらいは問題ない。

 最終的に、私が確保していた7時55分発の便は35分遅れの8時30分に搭乗を完了、52分にようやく離陸しました。離陸後30分から揺れが予測されるので、お手洗いなどはそれまでに済ませてください、というおっかない指示もあって身構えていたせいなのか、飛行機内でも眠気に襲われることはありませんでした。

 揺れ自体は言われたほどではなかったのですが、正直、窓の外の光景に眼を奪われてそれどころではなかった。飛行機はいったん太平洋側まで出て、房総半島を横断して羽田に入っていったのですが、上空から見えた千葉の光景がすごかった。上空から見ても解るほど、広範囲に水溜まりが出来ているような有様だったのです。飛行機が到達するくらいなので、かなり落ち着いていたようですが、前夜の壮絶さが頭に浮かぶようでした。

 けっきょく予定よりも50分ほど遅い10時5分頃に羽田空港に到着。場所も通常の搭乗口が足りなかったようで、少々離れたところに降り、バスでロビーに移動。そこから東京モノレールを使うのですが、電光掲示板に表示されていたのは9時台の便。JRに乗り換えた浜松町には、閉鎖されていた改札の前にたむろする大勢の人、人。前夜、関東を見舞った台風の影響が明瞭でした。結果として、家への到着が若干遅れただけで、当初の予定通り、午後の用事は普通にこなせた私は幸いだったようです。

 ……とはいえ今年はほんとーに疲れました。明けて今日はもうまったく動く気になれず、昼食の買い出し以外ではいっさい家から出ませんでした。あんまりボーッとしすぎて、書き上がってたこの項を10日のあいだにアップ出来なかったし。

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