レンタルDVD鑑賞日記その701。

 昨年6月リリースの『心霊~パンデミック~フェイズ19』を鑑賞。自宅の浴室の排水溝がやたらと詰まるトラブルに困じた投稿者の記録“めがあう”、誕生日の恋人を驚かせるはずが、想定外の存在に脅かされる“サプライズ”、自殺した父親に関する調査を依頼されたスタッフが恐怖に見舞われる前後篇“あざわらうもの”、ほか全10篇を収録。
 ……とにかく、連作の出来の悪さが耐えられなくて、終盤は2倍速で観てました。相談者に肩入れしすぎるスタッフを徳丸が叱ってるんですが、そもそもあなたがスタンスを明確にしてなかったせいだよね? もうここからは仕事の範疇を超える、というならどこかで止めるのがあなたの仕事だよね? 業務を離れた段階でカメラ止めればいいだけじゃない? それが出来てないくせになんで偉そうに説教してるの?
 取材に際してのスタンスが不明瞭、という問題はこのシリーズで前々からつきまとっていて、思慮が乏しい、というのは解ってるんですけど、なにが苛立つって、過去に痛い思いもしているのに、反省がまったくない、という点。一時的に霊感がついた、とかどうでもいい設定は覚えてるけど、その結果、スタッフばかりか取材対象も危険にさらしてるのをすっかり忘れてるんですもの。
 そういう、怪奇現象とは直接繋がらないスタッフの言動を抜きにしても、この長篇は不自然なところが多すぎる。あのラストに明かされる事実、似たような趣向は『ほん呪』でもやってましたが、文句なくあっちの方が巧かった。
 単発作品は全般に、ちょっと惜しい。展開にひねりがあるのは好感が持てるのですが、肝心の怪奇現象があまりにも唐突だったり、雑だったりするのが残念。展開そのものの怖さを強調したいなら、あまりはっきり見えないもののほうが効果的でしょうし、変なモノがばっちり撮れてしまうエピソードがあってもいいけど、もうちょっと絞り込むべきだと思う。そういう意味で、比較的出来がいい、と思うのは“たたくおと”。最後に具体的なことが起きてないじゃん、と思われるかも知れませんが、むしろこのくらいのほうが印象には残る……怪奇現象そのものはちょっとわざとらしいにしても。

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