『苺ましまろ』第四話

　なんだかとっても久し振りのアニメ版第四話は伸恵、煙草代捻出のためにバイトするが美羽のせいで酷いことに、の巻。だがしかし伸恵よりも酷いことになっているのは作画レベルだっ！　四話目にしてかなりヤバいぞ?!

　もともと多少崩れることを覚悟したようなデザインだなー、と薄々思っていたのだが、それでも今回の作画レベルはちょっといまいち。しばしば輪郭が崩れるので、いちいち苦い笑いが込みあげてきました。

　一方で、シナリオの出来にはかなり好感を持ちました。原作におけるお医者さんごっこのエピソードを前半に、伸恵のファミレスでのアルバイトを後半に取りこみつつ、随所でアレンジや独自のギャグを盛り込んでいる。前々からこの作品には“遊び”を入れる余地が幾らでもある、と訴えていた私にはかなり理想的に近い組み立てで、その点では見ていて満足しました。特にファミレス編のアレンジの仕方は原作のそれにいい起伏をつけていて、気晴らしになんべんも原作を読み返している私のよーな人間にも新鮮に感じられました――但し、やってることはかなり危険ですが。モノ投げすぎだろ今回。

　ただ、そうして評価しながら、だからこそ敢えてひとつ注文をつけるとするなら、キャラクターの活躍量をもう少し巧く配分して欲しかった、という点。今回、伸恵と美羽の対決にスポットが当たりすぎて、他のキャラクターの印象が薄い。特に茉莉なんか最後泣いてたのが記憶に残ったぐらいで、余計に可哀想です。予告によると次回は美羽が伸恵のアナに対するえこひいきに嫉妬する話をベースにしているようで、だとしたら尚更に千佳や茉莉が目立ちにくくなる。千佳に至っちゃただの女中扱い受けかねません。

　高望みと承知しつつも、シナリオ面ではかなりいいところまで持ってきている印象なので、もうひとつ上を願いたいところ。作画レベルについては……尚更高望みはしにくいのだが、出来ればもう少し向上させて欲しい。現状でもかなり納得の出来ではあるんですが。

　しかし今回、何よりも吃驚したのは、伸恵の友人の名前が紺野さんだと知ったことだったり……実は密かにお気に入りでした。