『エンジェル・ハート』第二話

 近頃は第一話でOPを省く、という手法が流行っているのでしょうか。この作品はEDも省略していたようで、初めて見た両者はけっこう格好良かった。構成に呼応しているような感覚があるのが良し。

 しかし本編は……んー、独り言が多すぎるのう。序盤のグラスハートのモノローグなんて、絵だけで想像させてもいいと思うんですが。「この鼓動が――」云々とか、最小限に絞り込んで欲しかったところ。

 そして、線を書き込みすぎたために作画に早くも危険な兆候が。なんかアジアのどこかで作られたパチモンっぽい匂いがしてどうにも描線に馴染めないのですが、その上に早くも崩壊の気配が垣間見えてます。どうしたものやら。旧『シティーハンター』のようにある程度省略した線で良かったと思うのだが。

 一方、物語は新宿へ移り、グラス・ハートが心臓の記憶に翻弄されるくだり。全般に、『シティーハンター』時代のノリを踏襲している冴羽獠のコメディタッチなリアクションと、グラス・ハートの深刻さが不均衡を起こしていると感じるのは、やっぱり絵柄の安定感が良くないからと感じられます。加えて演出がのっぺりしているのも気に掛かる。とりわけ“香”と海坊主再会のシーンは、カメラをあまり動かさず、感情の変化が起きる場面には一瞬でもタメが欲しかった。この辺は原作でも特にいい場面なので、どうにも残念でなりません。

 次回もグラス・ハートは心臓が齎す懐かしい記憶に翻弄され、冴羽獠はあてもなく迷走を繰り返す。プロローグ部分のクライマックスに辿りつくまでにはまだ数話かかりそうですが、やっぱり比較的最初のほうの話だけやって終わりなのかなー。

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