霧山修一朗は趣味で時効になった事件を調べるのだ。という謎のフレーズがやたらと魅力的な新ドラマ、鑑賞してみる。
……なんかわたし好みなテイストだなー、と思って公式サイトでスタッフを確認したら、『亀は意外と速く泳ぐ』『トリビアの泉』の三木聡、『自殺サークル』の園子温ほか、注目の演出家・映画監督が勢揃いしてます。そう言われてみれば今回の話作りは明らかに『亀は意外と〜』に通じる味わい。後ろの書き文字とか焦点のずれた言動ばっかが気になって、途中は事件の謎がどーでもよくなってました。「ほら、嘘つくと頭に汗かくだろ？」という発言のあとのひと幕なんか大好きです。
ミステリとしてはあまりに考えが乏しすぎる。あの程度で行き詰まるようでは本当に警察は駄目すぎでしょう。が、謎解きのあとのツメは、この異様な世界観を凝縮していて面白い。クライマックスで悪魔の形相を見せるのでもなく悲嘆に暮れるのでもなく、ただただ呆気に取られる真犯人なんて、この作品世界だからこそ可能なものでしょう。
とまあ、個人的には手応え充分だったので、『アンフェア』とは対照的にこちらは継続して鑑賞することを早速と決めました。……まー、正直に言うと、『自殺サークル』でネタ振りしか出来ないことを露呈した園子温作品には一抹の不安を覚えますし、果たして三木監督以外にこのテイストが発揮できるか心配なのですが、前提が既におかしいのでたぶん大丈夫でしょう。
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