『まんが日本昔ばなし』第十回

 一本目は『三枚のお札』。そのやんちゃぶりで和尚を困らせている小僧が、山姥のいる山へ栗拾いに行きたい、と言い出す。制止を聞き入れようとせぬ小僧に、和尚は三枚のお札を託して行かせることにするが……

 山姥登場の経緯は古典的ですが、そのあとの展開がちょっと変わっている。和尚さん強ええー。なにゆえあんなに強力な札を持っていた(作れた)のか、そしてよくもまあ躊躇もなくあんな退治の仕方が出来るのか、ほとほと感心させられます。はじめから小僧さんを反省させるためにああした方法を選んだようですが……そんな力があるなら、他にも色々と方法はあっただろうに。

 二本目は『雪女』。茂作と蓑吉という猟師の父子は狩りに赴いた山中、収穫のないまま吹雪に巻かれ、樵小屋で一夜を明かす羽目になる。深夜、訪れた雪女によって茂作は命を奪われたが、蓑吉は若さゆえに命を救われる。それから間もなく、蓑吉は美しい女を娶るが……

 演出がりんたろうでした。民芸調の他の話とは一線を画した美術で、一瞬、本当にこれ『まんが日本昔ばなし』か? と首を傾げてしまうような風情。しかし雪女というモチーフとその哀しい顛末には、いつもの画風ではなくこの劇画調のほうが相応しい。

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