『帰ってきた時効警察』第一話 嘘は真実を食べる怪物と言っても過言では無いのだ!

 待望の復活です。これは本当に嬉しいぞー。

 お金が尽きて趣味から遠ざかっていた霧山修一朗(オダギリジョー)。だが久々に美味しそうな事件に巡り逢ったことをきっかけに一念発起、競馬で万馬券を当てて資金を確保し、捜査に乗り出す。彼が目をつけたのは、代議士の殺人事件。ひとりの男が容疑者として疑われたが、当時駆け出しだった女性ニュースキャスターがアリバイを発見、冤罪として釈放されている。では、真犯人は誰だったのか……?

 いやー冒頭から小ネタ暴走。なかなか本題に入らないもどかしさが素敵です。どうでもいい話が果てしなく絡みあってちゃんと事件の話になだれ込んでいく、作風に一片の曇りもなし。

 事件のほうは、やっぱりミステリとして見ると欠陥が多い。あとからあとから調査結果が出て来たりするのはタブーでしょう。当時の警察がそうした背後関係を見落としたというのも不自然で、前シリーズ時点であった、「時効になる必然性が不明」という欠点はそのまま残っている。しかし、待ち焦がれていた目にはそれすらも良さに見えてしまうのだなあ。ミステリファンとしてそのあたりは許容するつもりは依然ありませんが、この事件そのものの緩さももはや魅力といっていい。

 大ヒットを受けての復活なだけあって、出演者がやたら贅沢なのも特色でしょうか。メイン・ゲストの麻木久仁子というのも着眼として面白いですが、森下能幸温水洋一のような味のある俳優が脇を固め、ピンポイントで蛭子能収やミスター・マッスルなんてのまで起用しているあたりが楽しい。そうした脇役に細かい味付けを忘れていないのも相変わらず。

 物語としては締まりのないことこの上ないですが、シリーズの1話としては文句のない仕上がり。「誰にも言いませんよ」カードを出す霧山の嬉々とした様子が素敵でした。やー来週も楽しみですわ。

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