このあたりからメタ・フィクション的な趣向に磨きがかかって本格的に面白くなっていったことを再確認。なんでずっとカメラの前に何かあるんだ。一条さんってけっきょく何者なんだ。どうやって連絡つけたんだアレと。
数々の意味不明・不条理な展開が楽しいこの作品ですが――何回も見なおしていて、ふと違和感を覚えました。なにか、テレビ放送時と著しい違いがあるような。入浴シーンの湯気の有無とかそんな話ではなく、もっと大きな違いが。そして今日、集中力が欠如していたので、作業の傍らではなく真面目に、しかしぼんやりと眺めていて、やっと気づきました。
この作品では2曲目となるオープニングテーマ『ルーレット☆ルーレット』に移行してからも頻繁に『黄色いバカンス』が使用されていました。メインである片桐姫子ヴァージョン以外にも、シングル同梱の橘玲ヴァージョン、本日発売の『歌のザ・ベストテン』にやっと収録された6号さんと桃瀬くるみのヴァージョンが採用されるなどして話題となり、3曲目『少女Q』がメインとなってからもしばしば冒頭を飾って話題を振りまいたものですが、――DVDでは、どうも基本的にその時期本来のオープニングテーマに差し替える方針に変えたらしい。
当時の感想を振り返ると、オープニングの差し替えは2曲目が初めてかかった第拾話の次、第拾壱話で早くも行われ、DVD収録済みの話だけでも拾三話、拾四話、拾六話と4話で『黄色いバカンス』が使用されている。しかしDVDでは第3巻冒頭の第九話からオープニングが変更されており、第3巻収録分はすべて『ルーレット☆ルーレット』で統一、第4巻も基本的にすべて『ルーレット☆ルーレット』に……と思ったら、一箇所だけ、絶対にここではあり得ない、という回だけ『黄色いバカンス』になっていて激しく受けました。しかもこの時期はまだオンエアされていなかったはずの桃瀬くるみヴァージョンだよ! なんという芸の細かさだ! 確かにDVDで作品を初めて観た人でもこのタイミングならけっこうずっこけるだろうが、基本的にテレビで観た人を狙ったネタだぞこれ?!
とまあ、後半では神域に突入していたメタ演出が序盤からの伏線に支えられていたことに気づいたうえ、その工夫を更にDVDでも凝らそうとする根性を目の前に、ほとんど脱帽するわたしなのでありました。あー面白れ。堪能した挙句にこんなこと書いていたら、低調だったテンションが少しだけ恢復した気さえします。
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