人里に降り、短いあいだの恋人気分を味わった富姫と図書之助。だが、ふたりの絆は早くもあからさまな形となって忘れ神に現れる。不死のはずの忘れ神のひとりが、負った傷が癒えずに命を失ったのだ――富姫が人に心を許したばかりに。懊悩の果てに、富姫は図書之助との離別を選び、白鷺城を放たれた図書之助は、かねてよりの許嫁と婚礼の儀を挙げるが……
この作品の雰囲気に、輪郭のはっきりし過ぎた彩色はちょっと合わなかったような気がします。作画のレベルが下降していることがそもそもの問題なのですが、ならばもう少し特殊効果で誤魔化すなり、彩色を丁寧にするなりしても良かったような。
それにしても――本当に、『天守物語』ってこんなに雑な話だったんでしょうか。城に入ると外界とは時間の進行が違う、と言っていたはずなのに、あれだけ長居していた図書之助の周囲に変化は見られない。また、献上するための鷹を追う命を帯びていた図書之助が鷹を伴わずに出て来たのに、あの苛烈な藩主がなんのお咎めもなく解放した、というのは仮に周囲の口添えがあったとしてもいまいち解せない。後者についても、白鷺城にいたあいだの時間経過が無視されているように見えるのが不可解です。
大枠では何がしたいのか明瞭なのですが、細部の詰めが甘い――んー、やっぱり原作(戯曲)と比べてみないと納得できないかも。まあ、とりあえず来週の最終回を見届けてからか。
で、そのあとは『化猫』がはじまるはずなのですが……アニメの公式サイト、あと二週といういまになってもまだ『化猫』の詳細がアップされてません。仕事遅すぎ。
コメント
だから原作は全然ああいう話じゃないんですよ。(私の記憶が確かなら――だいぶ不確かだけどそれでも違うことは分かる)いい加減何故あれを『天守物語』と銘打つのか疑問になってきたり。
原作の『天守物語』は天守閣に始まって天守閣で終わるのです。それに天守閣の下までは人も普通に来られるんです。姫路城なんだから。
まあ、『西遊記』と同じ脚本家ですから。……という表現は肯定的にも否定的にも使えるな。