照代(黒川智花)は愛用していた目覚まし時計を壊してしまう。久代(草笛光子)に命じられて、陽太(金子昇)の働く古道具店・すえひろやに修理に持ち込むと、代わりに奇妙な時計を貸してもらう。この時計、針を戻すと一緒に時間が戻せるらしい。胡散臭い店主の話によれば、ひとりで時間を戻せるのは三回まで――使い途を想像してほくそ笑む照代。一方、仕事探しにご近所に馴染むことに必死のサヤ(木村多江)は、亡くなった夫の親類が寄越した弁護士の登場に動揺する……
本当に時間を戻せる時計、なんてものが登場したときにはどうするつもりかと思いましたが、けっこう綺麗に纏めてました。しかも『ささら さや』におけるエリカ初登場のエピソードをベースにちゃんと謎解きもしている。このプロットについては、発想がシンプルであるせいもあるのでしょうがほとんど改竄はしていないので、ミステリとしてのインパクトもちゃんと備わっている。夫の幽霊が見える人に、一回しか取り憑けない、というルールを壊してふたたび陽太に取り憑いて、しかもかなり長い時間出張っているのが引っかかりますが、まあこのくらいは良しとしましょう。金子昇巧くなったなー。
しかも、『ささら さや』初出のエピソードを、原作ではまだ登場してもいなかった照代の心の傷に触れるかたちで活かしており、脚色としても良質。ほとんどイメージ通りのキャスティングも含めて、まだ第2話ながら、これは非常に理想的なドラマ化という予感がしてます。よほど崩れでもしない限り、最後までお付き合いしましょう。
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