『まんが日本昔ばなし』第二十一回

 前回のを録画したまま見忘れていたこともあって、完璧に録画予約するのを忘れてました。たまたまテレビを点けたら一本目が始まった瞬間で、慌てて手動にて録画を開始しましたが、当然冒頭は欠けたわけで。

 何をやっても運のない男が最後の神頼みと、お堂で願い事をすると、観世音菩薩から「お堂を出たあと、お前は転びます。そこで手に掴んだものを大事に持っていなさい」と言われる。言葉通り転び手にしたものは、一本の藁。男はこれという意味もなく、捕まえた虻を藁の先に結びつけて、菩薩の言葉通り西を目指す……

 誰もが知っているわらしべ長者ですが、やっぱりどういう順番で富を得ていったかは記憶してませんでした。こうして見ると、向こうから運が転がり込んできたわけではなく、男の心根の良さが運を招いていく話なのだと解ります。それにしても男の造型と、最後で男に最大の幸運をもたらすお嬢様の造型とのギャップがおかしい。

 昔の奈良のほど近くにある大きな醤油倉。櫂入れをしていたゲンちゃんは、大きな樽の物陰に潜んでいる犬らしき動物のために、日々の賄い飯から少しずつ分けて、樽の陰に置いてやっていた。お産を控えた妻のぶんも家事を片付け、毎日大車輪だったゲンちゃんだったが……

 雑で朴訥とした絵柄と、キャラクターの肉付けの明確さが光る一篇。この情感の豊かさこそ、他のアニメ、最近のテレビ番組では味わえない特色と言えましょう。出来る限り続いてくれー。

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