照代(黒川智花)が市場で働きはじめて一週間経ちだいぶ慣れてきた頃に、サヤ(木村多江)の息子・祐介(関根航)が誕生日を迎えた。そこへ送り届けられたのは、彼をサヤから奪おうとする亡き夫の親類たちからの大量のプレゼント。サヤは夫の家族にプレゼントを返し、施しは受けないと明言するために東京へと赴く。成り行きで、もともといた高校へ退学手続をしに行く予定だった照代も同行するが、なんと一足早く、照代の母・慶子(荻野目慶子)が手続きを済ませていた……
ほぼオリジナル・ストーリー、でももう完っ璧に世界を構築しているので非常に安定しております。心筋梗塞から復帰したばかりのブラザー・トムの演技はさすがに見ていて痛々しいものがありましたが、それさえ含めていいドラマでした。これまでも『ささら さや』で語られていたエピソードや断片的な心情をうまく織りこんでいましたが、今回は照代に、彼女変化や成長と二重写しになるサヤと対話させることで、余計にその調和を膨らませ、美しいものにしています。
惜しむらくは、“荒らされた靴箱”という謎解きが些かあっさりとしていて、かつ照代に直接絡んでこなかったこと。この辺のバランスが保たれていれば単発のエピソードとしても申し分なかったんですが……それとも、次回以降の話と絡んでくるのでしょうか。
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