『てるてるあした』#7

 市場に新しい社員が入って人手が足りてしまい、照代(黒川智花)はクビになってしまう。代わりに貰ったのは沢山の野菜と、幸運になるという曰く付きのコイン。次の収入源をどうするべきか悩んでいるところへ、何と照代の父・信夫(福本伸一)が忍んできた。傍若無人な父を匿いつつ、照代はふたたび久代が見つけてきた書店のバイトを始める。一方、サヤ(木村多江)は死んだ夫に迷惑をかけぬよう、自立することを決意するが……

 先週放送分をよーやく鑑賞。先にやっている『クロサギ』と並べたときのこの安定感、安心感が素晴らしすぎます。今回も内容的にはほぼオリジナルですが、原作の雰囲気も主題もきっちりと踏まえて、話を美しく膨らませている。父のあまりにも傍若無人かつ滑稽なキャラクターで楽しませながら、サヤの側のエピソードに新しいバイト先の人間関係、そして照代自身の心の成長とを重ね合わせて見事に纏めています。この堅実な仕事ぶり自体が既に感動的。原作では決して出番の多くない市場の大木(佐藤二朗)、三浦書店の親子の造型もよく、そのささやかな演出が作品の雰囲気をより完成されたものにしている。

 沢村一樹のお遊びはちょっと浮き気味でしたが、そのくらいの愛嬌があってちょうどいい。残すところあと2・3回ぐらいだと思われますが、最後まで楽しみです。

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